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やっぱりヒスイが好き!

淡い緑の美しい石…翡翠ひすい
その艶やかな美しさは、数千年前に生きた縄文人たちの心を強く惹きつけた『魅惑の石』であったようです。

日本列島にあるヒスイの産地は10か所以上。その中でも新潟県糸魚川いといがわのヒスイは良質で産出量も豊富であることで知られ、ここから日本各地へと運ばれていきました。
陸路だけではなく丸木舟によって海を渡り、鹿児島県の種子島や沖縄、北海道の奥尻島へも届けられました。

ヒスイ原石 富山県柳田遺跡出土

もともとのヒスイは、その重さや硬さを活かし「ハンマー」のような道具として使われていました。
やがてその淡い美しい緑の中に、神秘的な魅力や生命のエネルギーの源を見出します。こうして『日本最古のパワーストーン』が誕生しました。

中でもヒスイで出来た勾玉まがたまは、弥生時代には『魏志倭人伝』に献上品としたと推測できる記述があり、古墳時代には権威を示す役割を果たしたとされるなど、古代においては大変珍重された石であったことがわかっています。

ヒスイはナイフでもキズがつかないほど硬い石ですが、その加工にはヒスイよりもっと硬い石の粉を添付し棒で穴を開ける…など、特別な技術を身に付けた縄文人によって製品化されたようです。

ヒスイ製勾玉 岩手県上米内遺跡出土
ヒスイ製大珠 青森県三内丸山遺跡出土
ヒスイ製垂飾 長野県立石遺跡出土
ヒスイ製珠 北海道カリンバ遺跡出土

原石のまま、あるいは加工されたヒスイは当時はとても高価なもので、各ムラでは物々交換のような形で手に入れたと考えられています。

装飾品と思われる美しく加工されたものだけでなく、小さな集落の遺跡の出土品の中から、ほんの指先程の小さなヒスイのカケラが見つかることもあります。

ヒスイは宝であり、ムラの繁栄や存続になくてはならないパワーストーンであったのかもしれません。
全国津々浦々のムラでヒスイを手に入れることが熱望されていたようです。

縄文人が恋焦がれた宝石…ヒスイ。その魅力は私たちの想像をはるかに超えるものであったようです。

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