普通に

昔の写真を見返すとかなり痩せている。
でも、隣の友達はもっともっと痩せている。
よって、私はずっと人より太っている。
そんな人生だった。

小学生の時いつもお風呂の鏡で自分の身体をチェックした。
変な形の胸。太い足。平らになったことがないお腹。
おしりの痣。毛深い脇。肉割れがある内腿。
誰がこんな身体愛してくれるの、と思った。

低学年から胸が成長した私は
好奇の目に晒された。
そして性暴力を受けたことが
自分の身体は汚れたものだと改めて認識させた。


現在は卵巣、肝臓、そして精神の病を患っている。
そしてその薬たちは痩せたい私を太らせる。
高校生の時から某ダイエットアプリで体重とカロリーを管理している。
私は一日に1900kcalの摂取が目安だそうで真面目にそれに従っていた。
最近、自分の頑張りを投稿して他のユーザーに共有するコーナーを開くと、
みんな何故か1500kcal前後に留めていた。焦った。
身長も体重も目標も違うのに何故か1500kcalだった。

その日から、私も1500kcal前後を目指した。
1500という数字は思ったよりあっという間だった。
みんなやっているからって無理して合わせなくてもいいじゃない、と思うが
みんなと同じ標準体型に足を並べたことがない私は維持でもみんなと一緒になりたい。
1500という数字にしてから体重は少し減った。

それから少しして
1500を超えるような食事をすると吐くようになった。
アルコール、揚げ物、アイスクリーム。
ここら辺を食べ飲みするとトイレに駆け込むようになった。
吐くことで罪悪感を消したかった。
それがどんどん癖になった。
一日中、食べ物のことを考える。
YouTubeで大食いの人を見ては羨ましくなる。
同時に、食べてもいないのに吐き気がしてくる。
食べたい。気持ち悪い。痩せたい。太りたくない。食べたい。
この負のループが止まらない。

3ヶ月前から飲み出した薬の副作用で
体重は急激に増え、胸が爆発するほど張った。
それに加えて過度なダイエットで体重が
増えたり減ったりしたことで
胸やお腹、二の腕にも肉割れができた。

愛せない。自分を愛せない。好きじゃない。
自分が好きじゃないのに、誰が好きになってくれるの。
誰がこんな身体を愛してくれるの。


そして未だに夢を見る、消えない性暴力の記憶。
どうにか嘘にしようと記憶を歪めているのが
自分で分かる。少しでもマシなものにしようとして。


私は愛されていい人間だと、思いたい。

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