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詩「それは君の何を意味するのだろう」2018 5 31

果樹園になる果物にはなぜか不自然で違和感を感じる
兵士の厳格な整列も
君はとても美しいし聡明だ
そして上目遣いが多い
僕の方が背が高いからというわけではなさそうだ
なにか肩をよせて一生懸命に確認しているようにみえる
愛してるかどうかではなくて
怒られないかどうかを

雪虫が現れ季節が終わりを告げる頃当然新しい季節がやってくる
さしあたって着るものも一枚だけ増える
こうして季節が落ちていくときはおしゃれがしやすくなる
君は白をあまり着ない
何かが落ちてきても
何かが忍び込もうとしても
受け止めることができないというか
白では屈辱を隠せないとでもいおうか

配膳をするウエイターにチップを忘れてはいけない
どこの世界にも習慣があってそれは尊重されるべきだ
君の香りはとても素敵な配合なのだけれど
それは配合であって
何か人工的な自己主張を
自己主張ではなくて自らの痕跡を消すような
消極的な埋没を求めていると感じる
あえて周囲の香りに近づけて
その年その土地の最大公約数の仲間入りをしている
自分の気配を消しながら
流行は果たして習慣の一つになりえるのだろうか

善行も悪行もそれは習慣づけられる
どこかに多くの称賛と多くの訓告があふれる

君の口癖は2種類だ

1つ目の口癖は「これでいいのかな」
何かを一人で決めることができない
それは違うか
僕と二人でいるときには君は何も選択しないようにしている
服を
香水を
飲み物を
僕の顔色を窺うように上目遣いで聞いてくる

そして2つ目の口癖は「私でいいのかな」
窮屈な上目遣いで聞いてくる



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最後まで読んでいただいてありがとうございます。あなたに会えて幸せです。

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