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ひたすら齋藤さん家にごはんを持っていくハナちゃん

1.ごはんの力

齋藤さんちにごはんを持っていき続け
かれこれ1年以上経つ。
わたしはおいしいごはんがあれば
どんなピンチも乗り越えられると本気で思っている食いしん坊カナコである。
齋藤さんちはイツキくんとアンズちゃんの夫婦である。
この夫婦のカタチとても変わってる。
そう言うとアンズちゃんには
変わってるってなぁに?
普通ってなぁに?
って言われる。

2イツキくんとハナちゃん

出会いはハナちゃんの勤めるコンビニ。
イツキは毎日仕事前、仕事帰りに
カフェラテを買いに来てくれる声のめちゃくちゃ声の小さな優しそうなお兄さん。
ただの店員とお客さん。
それだけの関係のはずだった。
 今、わたしにとって彼は切っても切れない何かでつながっている大好きな人。
だけど恋はしてはいけない。
なんてたって彼はクズすぎる。

3イツキくんとアンズちゃん

イツキくんとアンズちゃんは結婚して7年目。
わたしは常に思う。
イツキくんの嫁はアンズちゃんじゃないとダメだ。
そもそも嫁という呼ばれ方がアンズちゃんは嫌いだ。
 イツキくんと出会ったころ
「嫁って呼ぶと怒られるから。
妻ね。」

とよく言っていた。

「俺、妻のこと嫌いだもん。
愛してるけど。」

ともよく言っていた。

わたしはこの2人にとても感謝している。
わたしの人生を豊かにしてくれた2人に感謝の気持ちをこめてこのクズ物語をすすめていこうと思う。
そう、なんとも破茶滅茶な話だ。
 こんなクズもいるんだから
生きているだけでいいんだと思える希望の物語になってくれることをわたしは願う。

4ハナちゃんとミヤビくん

わたしには婚約者がいた。
10年付き合ってプロポーズを受けた。
ミヤビくんは
とても真面目でよく働く。
コミュニケーション能力はないが
穏やかで優しい人。
このままこの人と結婚して平穏な日々を送るのだろうと思っていた。


5相撲とダッチワイフ

相撲にもダッチワイフにも縁のない人生だった。
至って平凡で平穏な日々だった。
あの日に彼とあぁなるまでは。


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