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猫の癒し効果は無限大?

ある日、ゴミ捨て場に猫を見つけた。
子供たちが、「人懐っこい猫がいるよ!」
見てみると、サビ柄の薄いシマの猫だった。
メス猫で、割と小さめ、子猫でも1歳来たかなというくらい。
「うちでは飼えないよね、ゲージもないし。野良だと思うから外の世界で生きているんだよ。」と、その場を後にしようとすると、
後から付いてきてしまっていた。

うちの家には外に住み着いてしまっているボス野良がいる。メスのサビ柄のブチ猫で、子供たちが「ブチ」と名付けている。うちに来て、6年程経った。もうベテラン野良猫だ。

家にやってくると、必ず窓を手でノックする。「トントン」(お腹空いたよ)と。
家の住人がいなくなると、必ずブチも出掛ける。逆に帰ってくるのをどこかで見てるのか、帰ってくる時刻に同じ様に帰ってくる。
家の中で飼うかと思った事もあったが、人間をとても警戒し、触られる事をものすごく嫌がった。しかも、子供のことが大嫌い!
家の外で、寝場所を作り、トイレも置いて、住める様にするや否や、急に帰ってこなくなってしまった。

そんな時に、人懐こい子猫が来てしまった。
子供たちは大喜び。名前をミルキーちゃんにした。ミルクティーみたいな柄だから。
そんな理由で、うちに来る猫はみんな毛の色で名付けられる。白いオス猫は、シローさん。黒いオス猫は、クローさん。虎柄はトラジロウ。田舎だからか、野良猫が多い地域だからか、様々な柄の猫がいる。

5年生の長女は、担任の先生と相性が合わず、毎日学校に行きたくないと泣いていた。
猫を帰ってきては抱きしめ、辛かった話を猫に聞いてもらい、その時間はとても癒しだった様で、日に日に学校が嫌だとは言わなくなった。
猫が隣に居てくれるだけで、癒し効果があるのではないのかなと思うようになった。まだ子猫だからか、ずっと寝て過ごしていた。
寒い時はくっついて来てすっと寝て、暑くなると顔を出して、水を飲んでは、また寝る。小学生が好きなのか、登校して行く子供の事を目でジッと追うのが大好きな変わった猫だ。
どうやら、小学生の間で人気がある猫らしい。下校帰りみんなに触ってもらっていたようだ。

ある日、突然ミルキーちゃんが、帰ってこなくなってしまった。もしかして、子供たちと一緒に登校しちゃった?!
不安になって、探したけれど、全く見つからない。翌日は雨だった。寒いのに、どこへ行ってしまったのだろうか、と四方八方、行きそうな場所など、みんなで探し回った。
そうしていると、2ヶ月が経っていた。
人懐っこいから、もしかしたら、誰かに飼われているのかもしれない。帰ってこない猫を未だに待っている。

悲しみにくれ、そうこうしていると、ブチが帰ってきた。
ブチはこの辺のボスのようで、クローもシローも、遠慮する。孤高の女なのだ。
猫にも世界がある。人間の上下関係のように。人間には癒しを与えるけれど、猫にとっては人間は怖い存在だ。猫の世界はより厳しいのかもしれない。人間がそれを崩してもいけない。
まして、殺処分をする人間は、自分達の利益しか考えていない。と私は思う。
猫は人間に触られると、すぐさま舐めて自分の匂いを付ける。人間の耳や鼻より、随分良い。生まれたばかりのような子猫は絶対に人間は触ってはいけない。

ホームセンターに行くと、必ずペットショップコーナーがある。
子供たちとラブラドールを見ていると、店員が「今給付金が出たから、旅行も行けないからって飼う人が増えててね、多分来週には売れちゃうね。」「この猫も可愛いでしょう」「抱いてみる?」
店員に言われても、動物達はどう思っているのかなとしか考えられなかった。
そんな理由で飼えるのか。半年後には、立派な大型犬になっている邪魔な存在になるのではないのか。ペットショップで、ファッション感覚で飼い、懐かないから。世話出来ないから。旅行に行けない代わりに。リモートでずっと家にいるから。そんな理由で飼わないで欲しい。生半可な気持ちで飼わないで欲しい。
人間と同じ、命をもっているのだから。

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