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「秘密」の正体

今回紹介するのは東野圭吾作品の「秘密」だ。東野作品によくみられるが本作も誠実な愛情が根底に流れていると思う。なお本作も映画化もされている。 ちなみにガリレオシリーズではないので福山雅治は映画に出てきません(笑) 主人公の平助は愛する妻の直子と小学五年生の娘・藻奈美と平凡だが満ち足りた毎日を送っていた。しかし、スキーバスの転落事故で妻は死に娘は意識不明に陥ってしまう。やがて娘は意識を取り戻したが、なんと娘の身体に宿っていたのは妻の魂だったー。 これが本作のあらすじである。

    • 「異邦」に居たのは誰か

      #異邦の騎士 #読書 #島田荘司 #ミステリ #推理小説 #推薦図書 初めて書いたnoteが「容疑者Xの献身」だったので「異邦の騎士」についても書いてしまおうと思う。というのも一つ前の記事に書いた容疑者Xが好きな人はきっと異邦の騎士も好きになってくれると思うからだ。 本作はミステリ界の大御所ともいえる島田荘司の代表的探偵・御手洗潔を主人公とする一連のシリーズの処女作だ。(実際には彼のデビュー作は「占星術殺人事件」だが、島田自身が本作がミステリ作家として筆を執った最初の作品

      • 推理小説入門に「容疑者Xの献身」はいかが

        #推薦図書 #容疑者Xの献身 #読書 「容疑者Xの献身」は私が今まで呼んできた推理小説の中でも1.2を争う良書だ。 本作は、犯人が冒頭でわかる倒叙形式で天才物理学者湯川学とその学生時代の友人にして天才数学者の石神哲也を軸に書かれる。湯川はシリーズを通しての主人公だが、本作に限っての主人公は間違いなく石神だろう。彼は愛する母娘を救うために大きな罪を犯す。 ネタバレを控えるためにこれ以上は伏せるが、「人間はこれほどまでに他人を愛することができるのか」という草薙の言葉に尽きる

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