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メーテルの乱 前編

一応女性ですが(中身は昭和のおっさん)会議はいつも短く簡潔に終わらせていたきこぺんアロハです。

去年、義母と夫と2017年に日本へ行った旅行記をまとめたがその後の話をまた書いていこう。義母のイメージが最近アップしているような気がするのだけど気のせいかな。ジェラシーメラメラ私より人気出たら困る(笑)。

無事に3人での旅行も終えてホッとした私は日本で数日骨休めと命の洗濯をしてからアメリカに戻った。この時はまだ会社員だったのだが実は仕事もしながら旅をしていたのだ。偉いぞ昔の私。でもちょっと働きすぎだったなあ。アメリカに戻り、義母メーテルとも会わない平和な日々が続いていた。そんなある日、携帯に義母からメッセージが残っていた。

『私といつも聖地巡礼に一緒に行く仲間が日本へ行きたがっているの。いいツアーを組んでくれる旅行会社はあるかしら?』(ハローもお元気?もなく単刀直入な原文のまま引用)

オフィスの自分の席で留守電を再生しながら「はああああああ?」と叫んでしまった。この間の旅行はメイドノミヤゲだと思ったからプランも練ってホテルもアップグレードしてカニも2回たらふく食べさせてもう充分でしょうよと思った。義母は私達と旅行中、私が撮った写真を夫に命令してフェイスブックに載せていた。帰ってからも日本が良かったと散々自慢していたようで周りから私達もぜひジャパンへ連れて行ってとせがまれているらしい。知らんけど。一応、コールバックして聞くと義母は15人ほどのグループで2018年3月か4月桜が見れるツアーを予約したいと言う。桜ならサンフランシスコ日本街でも見れまっせと思いながら話を聞いていると「あなたがおすすめのプランでいいから10日ほどでどこかツアーの申し込みをしたいのよ。」

いやいやこの言い方、そうじゃない。前々からこのファミリー(ぽけぺん以外)はあまり絡まないようにはしていたが物事のお願いの仕方がおかしい。Would youとかCould youまたはCan you pleaseそうプリーズをあまり言わないなあと思っていた。あなたも忙しいところ申し訳ないんだけどちょっと助けてくれないとか言えないのが義母メーテル。義母はリタイアしてからもずっと校長先生のままだ。いや校長先生だってお願い事はちゃんと言うはずだ。ともかくこの案件はあまり良い予感がしないので私は釘を刺した(5寸じゃなく言葉で)。「ツアーを手配できる旅行社を探してみますが私と夫は同行致しません。」

もやもやしながらいつも日本行き航空券を手配してもらう旅行社に電話をした。「弊社で企画したパッケージツアーの販売は時々行ってますがご希望のプランでの予約はできかねます。」2軒目も日本行きのツアーはやってないと断られた。あとは日本でも大手の会社。ダメもとで電話をかける。一応希望のプランで飛行機、ホテルと移動用のバスなども手配はやっているらしい。話した相手の声がとてもやる気のない感じ。大手なのにどうした?と気になりながら私は大体の希望を伝え、義母の電話番号と名前を渡して直接連絡を取ってもらうようにした。あとは義母がやれば良いのだ。私は仕事をしなければならない。義母が行くヨーロッパなどの聖地巡礼ツアーは義母と現地旅行会社でやりとりして内容を決めている。これで私は切り捨て御免じゃなかったお役御免のつもりだった。

数日後、義母からまた電話がかかってきた。「ツアーが一人$5000予算って言うんだけど高すぎるわ。なんとかならない?」(また挨拶もない原文のまま引用)「ならねーよ」と即答したかったが渋々旅行会社の担当者さんに電話をする。「金額が問題でしたらご自分で細かくプランを考えてお知らせください。」とちょっとキレ気味に言われた。やっぱりこの担当者さん話しづらいなあと思いながら京都、広島、東京でプランを考えて何度か話をするがしっくりこない。たまたま友達がこの大手旅行会社さんで昔仕事をしていたので世間話のつもりで「今こんなことがあってねーすごいやりづらい。疲れちゃったよ。」と軽く漏らしたらどうやら友達がすぐに管理職の人に電話してくれたらしい。本当に私は友達に恵まれている。あのキレ気味の担当者さんから1オクターブ上がった声で翌日電話がかかってきた。「先日、お話頂いたプランですがJALで今特別価格のプロモーションがございまして」とあなたは別人28号かっ!て言うくらいの変身ぶりだった。最初からこう言う感じだったら良かったのにと思いながらも話していたら私のプランが予算一人$3000で実現しそうだ。東京、京都、広島を観光した後は広島から国内線で羽田空港に戻りそのままアメリカに帰国する内容。観光の際は大型バスに英語のできるガイドさんもつけてくれるらしい。広島からはスーツケースを羽田空港まで届けてくれるサービス、ホテルは格安でないそこそこのグレードのホテルに宿泊して朝食は含まれていた。しかも飛行機は往復JALだ。最高でしょう。完璧でしょう。途中経過を報告すると相変わらず偉そうな義母が「あら良いわね」と言うので日にちを決めて契約書などもやりとりして義母がデポジットとしてツアー代金の一部を支払った。結局、私は結局間に入ってガッツリ関わってしまったが大手旅行会社だから出発しちゃえば現地でのサポートも期待できる。これでこの件は一件落着と思って....いた。

長くなったのでこの話は明日に続きます。書いてて思い出したら腹立ってきた(笑)。でも皆さん、安心して下さい。スキで出てくるメーテルは皆様にちゃんとご多幸をもたらすようフェアリー加工がしてありますので。



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