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夢日記#2 末裔たち

こんな夢を見た。

船に水が入ってくる。ポンプで汲み出そうとすればするほど、水かさが増してきた。それほど大きくはないこの船は転覆し、乗っていた人たちは海に放り出された。救援を求める信号を送り続けたが、応答はない。
見捨てられたのだ。

陸に流れ着いたのは、ひと家族か、ふた家族だけ。
それでも自給自足の暮らしで、なんとか命を繋いだ。世代を重ね、最初は原始的な生活だったが、通信機器や武器、銃も作れるまでに繁栄した。人口も増えた。

それでも、いつか本国に帰りたいという思いは、いまの世代に受け継がれていた。

ついに、本国と通信が叶う。大きな船で、迎えに来るそうだ。若者たちは、橋の上に並んで出迎えようとする。
アーチ状の橋に、手製の銃を斜めに携えて立ち、海の向こうを見つめる若者たち。ついに、本国の船が着いた。

降りてきた人々は、若者たちを認めるやいなや、散弾銃を撃ちこむ。逆光で、武装した彼らの表情は見えない。若者たちは呆然と、なされるがまま、次々に倒れていく。見ている人たちは「こっちも撃て、撃ち返せ」と叫ぶが届かない。


※画像生成に使用したワード「孤島」「海」「港」「橋」

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