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8月短歌まとめ10首

 8月はいろいろあって短歌へのモチベが乱高下でした。今月は日記的な短歌が多くて、第三者が読んでもうまく伝えられてないのではと反省しています。自分の中の発見を自分の言葉で、人に伝わるように選んでいきたいです。また、頻度は多くなくとも、こうして継続して投稿しているおかげか「短歌をやっている人」として実生活で認知される機会もあったのが嬉しかったです。
 今回もコメントをつけて振り返っていきたいと思いますので、もしよろしければお付き合いください。

1.あの頃のように鳴く蝉見つからず知らず知らずに大人になった
1年前に同じ主題で「蝉の鳴く音を頼りに探せども昔のように見つけられない」と詠んでました。三句からの「見つからず知らず知らず」のリズムが好きなのと、最後が「なった」と過去形にしたのでより郷愁さが出たかなと思ってます。子供の時はあれほど蝉を追っかけて捕まえてた少年だったのに、今となっては蝉の声がする木を眺めても木目に紛れて実体を捉えられません。不甲斐ないなあ。

2.この熱を神輿に乗せてどこまでも天まで登れ夏よどこかへ
この日は新潟まつりでした。私は仕事でしたが、職場の窓からまつりが見れます。過去最高の暑さとコロナ明けの久々のまつり開催で熱気がすごかったですが、夜でも気温が下がらず厳しい夏でした……。こういった歌は短歌としてどうこうより、日記として好きです。

3.イチニサンシイゴロクナナハチクジュウ落ちる雫をただただ眺む
正直伝わってないなと反省してるんですが、熱中症でダウンして点滴を打たれている歌でした。カーテンで閉じられたベッドの上で1時間身動きが取れないので、点滴を眺めるくらいしかやることがない感じを出したかったんですが、難しかったです。上司が「点滴されながら寝ると気持ちいい」と言ってましたが、私は寝れません。

4.閉まらない折り畳み傘そっと置く私にはまだ早すぎたみたい
熱中症でダウンしたことを反省し、男性でも日傘を持つことに人権を得られてきたので折り畳みタイプの日傘が欲しかったのですが、横着な性格のために正しく折り畳めないことに気付いて諦めました。

5.じいちゃんと顔も知らないばあちゃんに今年も盆に顔を見せれない
お盆でしたが、仕事なので帰省してません。墓参りも行けてません。じいちゃんにはよく相撲をとってもらいました。ばあちゃんは産まれる前に亡くなりましたが、遺影は見てるので顔を知らないわけではないなと今反省しています。ごめんよ。

6.それぞれの眠れない夜が続いてく街は線香の香りがする
寝れない夜には同じように苦しんでいる人たちに勝手に思いを馳せて心を落ち着かせてます。上の句、下の句で別々のことを詠む場合、近すぎず離れすぎず因果をギリギリ感じさせるくらいのものが好きですが、実践するのは難しいです。

7.いつの日かいつかの僕の過ちで悲しむことを許しておくれ
過去の自分の失態が原因で未来の第三者が傷つくことを現在の私が謝るという変な時間軸の歌ですが、起きてもないことに先に謝るのはそれはそれで変なので、短歌に残しました。申し訳ない。

8.同じ日々周りめぐってやってきた生まれた年の硬貨が汚い
コインパーキンのお釣りの硬貨が生まれ年の汚い500円玉でした。同じ32年を歩んでこんなに汚くなるんだなと何とも言えない侘しさを感じました。初句からのふわっとした情報から具体性のある結句へ繋がる感じが気に入ってます。

9.ポケットに眠るコインはいつの日か我が身を守る役目がある
8に続いての歌ですが、お釣りの硬貨を財布に入れるのが面倒でつい胸ポケットに入れてしまいます。第二句は「硬貨」じゃなくて「コイン」にしましたが、その方が音が面白くてリズムが出るかなと思いました。

10.ラジオから「夏の終わり」が流れてる ここは今日も猛暑日なのに
8月も最終日。勤務中に聞くラジオからは森山直太朗の「夏の終わり」がリクエストされてましたが、この日も猛暑日でした。2や3の歌も含めて、今月の歌を振り返ると今年の夏は異様に暑かったことを思い出せそうです。

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