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7月短歌まとめ7首

 7月は毎日「暑い!」と叫んでいたらあっという間に終わってしまいました。連日の猛暑に加えて、職場も毎日誰かしら休むせいで欠員になって一日を生き残るのに必死でした。そのためか、今月は7首しか投稿できず残念でした。目に映るいつもとは違う何かや、わずかな気持ちの変化に気付くにはそれなりに余裕がないとできないことがよく分かりました。今月は少ないですが精一杯振り返っていきたいと思いますので、楽しんでいただけたら幸いです。

1.どのツラをさげてもどればいいですか笑顔の面は売っていますか
 上の句のツラを面にしても良かったかな。“面”の「ツラ/メン」の読みを誤読されないようにカナ表記にしてしまったけど、それは読み手に委ねても良かったのではないかと思いました。

2.一番の願いを金の短冊にのせたくるくる曲がった届け
 七夕に七夕らしい短歌を詠もうと思ったやつです。結句を「曲がった 届け」とスペースを空けるか迷いました。空けたほうが届いて欲しさが強まる気がするんですが、どうなんでしょう。今のところ、7番の歌のように、上の句下の句の繋ぎが分かりにくい時にしかスペースを入れないようにしているのですが、スペースに意味を感じる短歌の存在も認識しています。うまく使えるようになりたいです。

3.社会から逃げ出したくてエレベーター行き先階を押さずに閉じた
 今月の中で一番好きな短歌です。(良くも悪くも)短歌らしい短歌になったと思います。ただ、初句で私が逃げたかったのは本当に「社会」だったのだろうかとも思ってます。もう少し名前のない気持ちを明確に捉えられるようになりたいです。

4.同年に命を受けた人たちはまだ生き延びていますでしょうか
 自死のニュースを見て読んだ歌です。同じ年に生まれた人に限定する意味はあるわけではないですが、縁の切れた同級生とかみんな無事に生きてたらいいなと思います。

5.青空が珍しいから葉桜の緑の濃さに気付いてなかった
 私の住む新潟は晴れていても薄ら青いことが多いんですが、稀にあるハッキリとした青空の日に詠んだ短歌です。昨日と何ら景色が変わらないのに、空の色で受ける印象が変わるのだと気付きました。何でもないことですが、こういったことに気付けるようになりたくて短歌をやっている気もします。

6.遠からず私は皆を忘れるし皆も私を忘れるだろう
 “皆”を“あなた”にするか悩みましたし、“あなた”の方が良かった気がします。また「私/皆」の順番も上下で逆にもできるので、それも悩みました。「忘れる」という言葉が強いですが、こういった短歌はドキッとしてもらえたら良い短歌なんだと思います。

7.朝方の空と海とは同じ色 船は彼方で宙を漂う
 実際に目にしたシチュエーションを短歌に落とし込もうとしたのですが、実感情と歌ととがなかなか一致しません。短歌にしてみて「自分が感じた感動はこんなもんだっけ?」「この短歌で自分と同じ感動が伝わるのか?」と疑問を持ちました。感情を正確に捉え、伝えるのは本当に難しいです。

 投稿頻度に波はありつつも一年くらいnoteに短歌を投稿しましたが、成長を実感するのはなかなか難しいです。やはり、自分の中に短歌の良し悪しを測るものさしが鍛えられていないせいだなとつくづく思っています。自分の中で基準がないから出来栄えもブレているのだと振り返ってみて痛感しますね。
 最近、短歌研究社の「短歌研究新人賞」と角川短歌の「U−25短歌選手権」の発表誌を購入しました。受賞作を鑑賞することももちろんですが、選評も読んでみたくて買いました。自分の感覚と選者の言葉にどれほどの距離感があるのかを知りたかったんだと思います。そして、選評を読みながら思ったのが、短歌を評するのに使われる「ゆるい」とか「親切すぎ」などの表現を私はいまいち正確に理解できていないと思いました。今後、余裕があれば選評で使われる言葉について自分なりに理解をnoteにまとめたいと思います。

それでは、引き続き夏を生きていきましょう。ありがとうございました。

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