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34歳の私は

池田晶子さんの「14歳の君へ どう考えどう生きるか」を読みました。


この本を読む前に、池田さんが書かれている「知ることより考えること」という本も読んでみた。


「14歳の君へ」は、題の通り、14歳の君に向けて、人生・幸福・お金・言葉など様々な事柄について、それは何なのか、どう考え、どう生きるか、という事を問いかけ、自分自身で考え生きることの面白さや味わい深さを教えてくれている。

14歳の読者に向けた内容のため、哲学について勉強不足の私にも読みやすい内容だった。

考えることについて、はっとさせられるような言葉が多い。


「思う」ことと「考える」ことは全然違う。
人間の考え方は、立場や思想によって全然違うもの。だからこそ、立場や思想によって違わない考え、誰にでも同じ本当の事を考える仕方を知らなければならない。

自分自身を振り返ってみると、何かモヤモヤとしてしまう時というのは、「思う」ばかりで自分の頭の中がいっぱいになっている時だなとこれを読んでいてそう感じた。

「思う」ばかりで「考える」事ができていない時というのは、感覚としてはその場所にずっと立ち止まっているような状態なのではないだろうか。意識していないと、考える事はできない。考えないということは、自分で自分の人生を生きていないということだと言われているような気がした。

この本の中では様々な項目について著者が問いかけているのだが、その中でも特に、「言葉」「幸福」「人生」についての項目が面白かった。

人間にとって言葉とは何か?

34年間生きてきて、そんなこと考えたことあったかな?と思い返してみたが、やっぱりなかったように思う。言葉を理解するということは、その言葉の意味を理解しているということ。では意味とはいったい何なのか。言葉の意味は誰が創ったのか?

今まで深く考えることもなく、普通に使ってきた言葉こそが、世界を創っていて人間を創っている、ということに驚きしかなかった。

幸福であることとは?

人は何のために生まれ、何のために生きているのか。ふと、こう考えたことはあるだろうか?

日常に生きていると、なかなかこれを真っ直ぐに考える機会というのはあまりないような気がする。私も、そんな難しいことはよくわからないよと、考えるのを放り出してしまいたくなる性分なので、自分への戒めとしてこのnoteに書き留めておきたいと思った。

人生の最終目標というのは、その人それぞれに違った形ではあるものの、全ての人に共通するのは「幸福になる」ということではないかと著者は言っている。

不幸だと思う、その心が不幸なんだ。幸福だと思う、その心が幸福なんだ。不幸と思うのをやめることで、今ここで幸福になる事ができるんだ。

不幸は自分の外側からやってくるもののように思うが、それはどこまでも自分の心が作り出しているもので、幸福とは自分の心のありようそのものなんだとこの本に学んだ。

この人生が存在するという謎

もう読めば読むほど、面白い!となってくる田中晶子さんの哲学。この人生の不思議を知り、それについて考える事がいかに面白い事なのか。宇宙が、自分が存在する事の不思議を考える楽しみを教えてくれたこの本、自分の娘たちが大きくなったらぜひまた一緒に読みたい1冊になった。

考えれば考えるほど、謎は深まる。考えているのは、他でもない、この人生が存在するという謎だから、考えるほどに人生は味わい深い、面白いものになってくる。どういうわけか生まれてきて、せっかく生きているのだから、この面白さを、めいっぱい楽しんでみたいとは思わないか。大変だけれども、やりがいのある事だ。ひょっとしたら、それが、このわけのわからない人生が存在するということの、意味なのかもしれないよ。

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