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【書評】清華大生が見た最先端社会、中国のリアル

<本の概要>

アジアNO.1と評される中国の名門「清華大学」のOBによって書かれた本。著者は20代の日本人だが、若い頃から中国で育ち中国の急成長を身を以て肌で感じてきた張本人でもある。そんな彼が「日本人が思い描いている中国のイメージと実情には乖離がある」という持論の元、歴史・教育・デジタルといった観点から今の中国の「リアル」を余すことなく描いている。

<この本を読んだきっかけ>

オリラジ中田敦彦のYoutubeで紹介されているのを見て興味を持った。前々からこのチャンネルは観させてもらっているが、プレゼン力が本当に半端じゃなく、今回も引き込まれてしまった。中国の実態は以前から気になっていたものの、しっかり学ぶ機会はこれまで作れていなかったこともあり、Amazonでポチらせていただいた。

<本を読んでの気づき>

①圧倒的な競争環境が個々の成長に導く

「中国は貧富の差が激しく、のし上がるためには熾烈な競争に勝ち抜かねばならない」上記内容は様々なメディアで語られている中国観であるが、やはりそれは実態としてあるそうだ。中国において競い合うことを放棄することは社会から淘汰されることを意味し、そういった競争原理が働いているからこそ中国経済は飛躍を遂げることが出来たと筆者は語る。

特に興味深いと感じたのはBATの一角であるテンセント社が採用する、社内競争というメカニズム。同社はあるコンテンツを制作する際、1つの開発チームでなはく複数のチームに同じコンテンツを作らせ、その中で優劣をつけ導入検討するそうだ。同じ会社の中にすら競合がいるという恐ろしい環境な訳だが、国内最大にして最強のSNS「ウィーチャット」もこうした背景の中から生まれたのだ。

良し悪しは別にしても、成長するために競争環境が必要という考え方には個人的に賛成である。「怠けていたら人生終わる」くらいのマインドで仕事に取り組むことが重要であると改めて感じた。

②教育観の違い

中国の高校生は基本的に恋愛禁止で部活動も所属しないそうだ。「そんなことをする時間があるなら勉強をしろ」ということみたいだが、この徹底ぶりには驚かずにいられなかった。

中国は学歴社会が非常に強く根付いており、良い大学に合格できるか否かによって人生が決まるとまで言われているそうだ。そのため、若者は大学受験の成功に全てをかけ、幼少期から英才教育を受けるのだという。また、そういった姿勢は大学入学後も変わらない。大学でのの成績が採用面接に大きな影響を与えるため、入学後も熱心に勉学へと励み、放課後や朝の時間に自主的な学習機会を設けるそうだ。

個人的な意見としては「大学の成績を採用面時の評価軸にする」という点は、ぜひ日本でも取り入れるべきだと感じた。筆者も述べているが、日本は義務教育課程までの教育レベルは非常に高いのに、大学となると評価が一変する。実際私も高校まではそれなりに真面目に勉強したが、大学になると途端に怠けて学ばなくなった過去がある。モラトリアムを謳歌しすぎた私が言えることではないのだが、やはり勿体ない時間の過ごし方をしたと感じている。

中国人若者のリアルな実態からは「圧倒的な意識の高さ」を感じられ大人になった自分としても少なからず刺激を受けた。

③量をこなしてこそ質が向上するという事実

上記の教育観の違いにも現れているが、近年の中国経済の躍進は国民達の圧倒的な努力を抜きに語れないということを認識した。教育という観点で言うならば「革命的な勉強手法を編み出したわけではなく、たくさん勉強した結果としてレベルがあがった」ということだ。

経済においても同様のことが言える。社会問題としても取り上げられることが多い「996」問題。「朝9時から夜9時まで、週に6日間働く」の意味だが、中国トップのIT企業ではこのような働き方が常態化している企業も多くあるそうだ。それを読んで私は「高度経済成長期の日本ってこんな感じだったのかな」と感じた。

働き方改革が叫ばれる昨今の社会情勢にはそぐわない言葉かもしれないが、「量をこなさずして成長はない」ということなのだと思う。私の勤め先でも「月◯時間の残業は絶対にするな」と厳しく言われている。労働を強制させられることは良くないかもしれないが、逆に働きたいという意思があるものが自由に働けないことにも違和感を覚える。少なくとも、グローバルな国際社内で成功を収めるためには、それくらいがむしゃらに働くということも大切なのかもしれない。

とはいえ、会社としての勤務が出来ないのであれば自主的に学べばいいだけだ。副業もそれなりに解禁されている世の中なので、活動幅はいくらでもある。

生産性がどうとか効率がどうとかいう前に、今の自分にはまだまだ量が足りていない。本書を通して中国人の若者のリアルを知った私は、そう感じずにはいられなかった。幸いにも副業として1月からとある会社の創業を支援させていただけることになった。まずはそこで成果をあげるため、学習時間・実際のアクション数を増やそうと思う。

<読書後のto do>

上記の仕事を行うこと。まずはWEBサイトへの訪問数を増やすためのマーケ施策の実行。3月までにアクセス数を2倍にすることを目標にする。

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