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脳の構造を理解してイライラに勝つ方法

ストレスと自律神経のバランス

私たちの体は、起きている間は交感神経が優位に働き、リラックスしたり眠ったりしている間は副交感神経が優位に働きます。この2つの自律神経のバランスが整ったとき、最も健康な状態が保たれるのです。しかし、不規則な生活や過度のストレスで体はどうしても交感神経優位に傾きがちです。特にストレスが溜まっている状態は交感神経の緊張が高まっています。ストレスを感じたときは、意識的に副交感神経を刺激することが健康を維持するために必要です。


涙の効果と免疫システムの活性化

副交感神経を刺激することは、免疫システムを活性化させることにもつながります。涙を流すことは、ストレスを軽減させるだけでなく、自律神経のバランスを整え、さらに免疫システムを活性化させるという3つの効果を持ちます。これにより、身体的ストレス経路を抑制することができます。

笑いと泣きの科学的根拠

最近、笑いが免疫を活性化させる効果があることが注目され、医療の現場でも笑いを取り入れているところが増えています。笑いと泣きは正反対のように思われますが、大笑いすると涙がこぼれることからも分かるように、実はこの2つは脳の働きから見ると非常に似ています。面白いビデオを見て笑っている人の前頭前野の血流を調べると、血流が増えていることが分かります。ただし、泣きの場合と比べると増加の程度は弱く、時間も短いもので、号泣した時のような大きな変化は見られませんでした。


号泣の効果とその科学的根拠

号泣すると、緊張、不安と混乱が改善されることが実験で分かっています。泣くことで、脳内のセロトニン濃度が上がり、リラックス効果が得られます。さらに、号泣は前頭前野の血流を劇的に増やし、脳の共感能を大きく刺激します。これにより、ストレスが大幅に軽減されるのです。

泣くためのコツと科学的アプローチ

泣くためには感動に至るプロセスが必要で、感動の涙は共感から生まれます。泣ける素材は映画やドラマ、音楽など何でも構いませんが、ホラーなど恐怖のものは避けた方が良いでしょう。恐怖映画を見ると、脳の前頭前野の血流が減少し、ストレス解消にはなりません。

泣きたくなったら我慢せずに涙を流すことが重要です。号泣の定義は、自分では涙をコントロールできない状態になることです。胸に込み上げてくるものがあり、言葉が喋れなくなり、顔の表情をコントロールできなくなる。この状態になれば、流れた涙の量は少なくても脳内では十分なスイッチングが行われ、ストレス解消効果が得られます。


泣く時間と場所の選び方

泣くことはストレス解消に効果的ですが、時と場所を選ぶことも重要です。例えば、オフィスで上司に叱られて泣いてしまうと、周囲に悪い印象を与えることがあります。泣きたい時は一人になれる場所で泣くようにしましょう。人前で泣く場合は、スポーツの大会など感動を共有できる場面が良いです。

性差と涙の科学的背景

男女差がありますが、涙の機能には大きな違いはありません。涙の研究で知られるアメリカの性科学者ウィリアム・フレイは、男女でホルモン分泌に違いが生じるのが原因ではないかと考察しています。フレイが注目した女性ホルモンはプロラクチンという母乳の出を促す脳下垂体ホルモンで、これが泣く頻度に男女差をもたらしているのではないかと述べています。

また、女性の月経周期と深い関係を持つエストロゲンというホルモンの影響にも注目されています。エストロゲンの濃度が高い時には脳内のセロトニン濃度も高く、エストロゲンの濃度が低い時にはセロトニン濃度も低くなることが分かっています。排卵前の女性はセロトニン濃度が高く、共感能も活性化しているため涙もろくなり、月経前の女性はセロトニン濃度が低く、泣きにくい状態にあるということです。


まとめ

涙を流すことは非常に効果的なストレス解消法です。感動の涙を流すことで、脳の共感能が刺激され、ストレスが解消されるだけでなく、免疫システムも活性化します。普段は笑いで元気を出し、いざという時には号泣して溜まったストレスを洗い流しましょう。ストレス解消のために、ぜひ積極的に感動

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