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男はつらいよとお揃い

知らず知らずのうちにnoteが一年のまとめを作ってくれた。

2020年のnoteへの投稿記事数は49記事だったらしい。
noteを始めたのは2020年の4月。
まだ始めて1年経過していないわけだが、もう最初の方の記事はタイトルを見ても内容が思い出せなくなっている。

あと1記事投稿することでキリよく50記事になったわけだが、とある理由で辞めておいた。
49という数字は私の好きな『男はつらいよ』とお揃いだ。


日本人なら誰もが聞いたことのある渥美清主演の映画で、渥美清の逝去により49作が最終作だった。

が、昨年の年末、50作目が公開された。
なら49はお揃いじゃないじゃないか、というツッコミが入りそうだが、私にとっては49➕1というイメージだ。渥美清の寅さんは49で終わっている。


50作目はまだコロナが蔓延する直前で辛うじて映画館に見に行けた。
レビューには厳しい意見も書かれていたが、オープニングの時点から大泣きし、最初から最後までほとんど泣いていたぐらいなので個人的には大満足だった。

正直、寅さんみたいな叔父さんが居たら迷惑だろう。
他人の結婚式を勝手に開催した挙句、費用を叔父夫婦に支払わせるわ、未成年の甥にお酒を飲ませるわ、男はつらいよの1作目は、実の妹、さくらの縁談をぶち壊すところから始まるし絶縁されていてもおかしくない。(余談だが、『さくら』と書くとおいちゃんの名台詞『まくら、さくら持ってきてくれ』が思い浮かぶ。

50作の映画を見返しても、この令和の世の中にはそぐわない部分も増えてきている。

でもまた会えて嬉しかった。

きっと私は羨ましいのだ。

実の父親、母親のことで悩んでいる泉こと後藤久美子に対して、何かあったら僕を頼れ。協力するから。と声をかける満男。
急な訪問にも宿泊のお願いでも嫌な顔一つせず、それどころか喜んで自宅に泊めてくれるさくら、博の夫妻。

家族を置いて海外に渡った泉に対して誰か説教の一つでも食らわせそうなものだが、お世辞でも何でもなくただ会えて嬉しい感じ。
泉の実の両親のこともゲキを飛ばすこともせず、ただ寄り添ってくれる。

彼らは親戚でも何でもない。昔ちょっと縁があっただけの赤の他人だ。


もし渥美清が生きていて、50作目で寅さんを演じたなら泉に何と声を掛けただろうか。

『どうした?ちょっとそこに座れ。何があったか話してみろ。』

きっとゆっくり話を聞いてくれる。

『俺が話してくるからよ!』

と飛び出したはいいものの、道中の美女に目を奪われ、いつの間にか振られ。

きっといつも通り大騒ぎして終わるのだろう。

寅さんには帰れる家と家族があり、寅さんが受け入れた人なら誰もが受け入れてもらえる。

男はつらいよのどの作品を見ても泣いてしまうのは、その温かさに焦がれているからかもしれない。


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