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【DU PERE LABAT】板向いの教示と蔑視

とある日の事。

師匠にご馳走になり、
「もう一軒だけな?」と大好きなバーへ。
師匠が認める「この街で一番酒を知っている人だ」
そう認める時点で高崎最強。

その実、お店には飲兵衛達が詰まっていました。
密とは果たしてなんだったんだろうか。と。

その前のお店で僕は

「Barbancourt 15years」を飲んでいまいした。
重厚でラム酒にしては甘さが控えめな味わい、
師匠夫人に言われた通り食中酒ではなかったかも。

仕方ないじゃない。知らないんだもの。
食中酒に適しているのはビールやハイボールなのかな
いや、日本酒でもいいな、でもワインだとおつまみの幅が限られるし。

…さて、バーではお酒に集中しようかな。

知らないから
「ラムのストレートください」って言うしかないじゃないっすか。
「畏まりました」最強のバーテンダーが言います。

かっけぇ。

僕と師匠の会話を聞いていたからか、
前の店で僕が飲み逃したラムが出てきました。流石最強。

「Ron Zacapa Cenenario 23」
こちらは前記のものと違い甘さの主張が強いもので
ソーダで上手く割ればお酒に弱い子でも飲みやすいかも
梅酒的な果実酒の最強バージョン。のイメージ。


さて、ここでこの時の僕に問題がありました。
ちょっと飲みすぎて何を飲んでいたか記憶しきれていませんでした。

これも言い訳か。

師匠からの罵倒、嘲笑とともに。
「結局ラムを愛していないんだお前は」
師匠夫人からのただの嘲笑。
最強さんから「それはダメですよ?」
それは微笑みか、嘲笑か、営業スマイルか。

恥を惜しみボトルの写真撮らせてくださいー笑
からもう一杯ください!
最強さんは「幻のモノを出しますよ」と。

DU PERE LABAT
白いラベルにシンプルな文字。

これが幻のラム?
素晴らしい装丁のショットグラスに注がれて
出てきたそれを飲んでみる。

ラムの甘さもない。アルコール感は強い。
刺々しい、まさに殴られた時の感覚に近い。
香りも攻撃的。これがラムか、もっと優しいと思ってたけど。
「うわ、凄いなこれ」って。
師匠も「これは流石に知らないな」ってね。

地図上の「点」で、
雨水を濾過だけの水に、
汚れたプラスチック容器に、
工場の人が腕を突っ込み混ぜて、
味の調整もその人の裁量によりきで、
「おっけ大丈夫」的なノリで審査に通った。
今となってはラベルが変わったから幻って事か。

後日談、
「ラムなんか嫌いになっちゃえって事だろうな」と
「ここで飲むしあわせ」ってそりゃそうですよ
こんなに上質な屈辱、負けを与えて頂いたんですもの。

これだから呑むことはやめられない。
楽しくて仕方がない。
絶対また行ってやろうじゃないっすか。
お金がかかって仕方ない。もっと稼いでやろうじゃないっすか。

ラムから日本酒もジンもウォッカも
ウィスキーも最後にワインも。
すべて味わえるようになってやろうじゃないっすか。


僕は別にバーテンダーになるわけじゃないけど。

感情が動いた時に価値は発生します。その時に頂ければ幸いです。