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自炊を続けて考えたこと

単身赴任生活も半年が経過した。コロナ禍でなければあったであろう懇親会,歓迎会,一杯付き合えやというお誘いもなし。考えてみれば,異動前の壮行会だってあったはずだから,相当な回数の飲酒を伴う外食の機会が失われたことになる。

私は基本晩酌しないので(一番していたのは学生時分かも),自炊する以上,酒のアテではなく,飯を炊き,味噌汁をつくり,ご飯のお供のおかずも考えなきゃいけない。

一人暮らし,自炊の機会が訪れたのは,実は人生で3回目。1回目は大学生の時だったが,すぐに破綻した。生協で買った自炊の本は,食材を無駄なく使いきる献立のモデルが乗っていたが,夜は付き合いもある。学食もある。すぐに食材が使い切れなくなった。2回目はつくばにある研究所に6か月間いたときだが,早々に自炊をあきらめた。研究所の食堂は安かったし,週末は自宅に戻っていた。

やっぱり、購入した(あるいはいただいた)食材を無駄にしたくないという思いがあった。たまにやる自炊でも,今そこにある食材を使い切って、食べきることが最大のミッションとなった。モノは大量にできるわ,そもそも美味しくないわで,もういいわ,となっていたのだろう。

しかし,この異動が決まる少し前,料理研究家(?)の土井善晴さんの記事を読んだ。土井善晴さんの主張は「一汁一菜」。しかもご飯と具だくさんの味噌汁があれば十分,というものだった。自分が描いていた自炊は,実は「ハレの日」の食事だったのだ。別の動画では洗い米の紹介もされていたので,試してみたが,まず炊きあがったお米のつやと香りが違う。洗っておいた米の保存もできる。

単身赴任生活中(週に一回ぐらいは好きなラーメンを食べに外に出るが),食材を全く無駄にすることなく,しっかり自炊が続いている。自分でもすごいなと思ったのは,一汁一菜の「弁当」をパーフェクトで職場に持参できていること。コンビニ弁当やお惣菜も買わないので捨てるプラスチック容器も出ない。しかも体調もいい。ちょっと気になるのは「塩分濃度が高いかな」ってくらい。

結局、モノの命や食材を無駄にすることなくいただくことと、俺は自炊しててこんな料理も作れるんだぞ!と変に格好つけることは、相容れないと思った。

さ、晩ご飯作ろっと。

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