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四気質と職場の人間関係②他者を知る

こんにちは。
こちらは前回の記事の続きになります。

誰もが職場の人間関係に悩みを抱えており、その原因はどこから来るのか?考えていたところ、四気質(胆汁質・憂鬱質・多血質・粘液質)について知りました。
前回は、まず自分のことを知ろうということで、ネイタルチャートよりどの様な気質の傾向があるのか、実際に当てはまっているのか?検証しました。
結果として、ホロスコープから読み取れる気質が全てではなく、生まれ育った環境的要因、両親からの影響も強く作用していることが分かりました。

相手のネイタルチャートが分からなくても、身振り手振り、表情、言葉遣い、声のトーンなどを五感で感じ取って、どの気質の傾向が強いのか見ることができます。ネイタル→相手ではなく、相手→ネイタルのように捉える。相手との対話を大事にしていくことで、宇宙の視点になってもよりリアルな情報を受け取れるのかなと思います。

それから私自身、自分の気質と相手の気質の傾向を知ったことで、コミュニケーションが少し楽になったといいますか、程よい距離感が掴めるようになりました。
「なぜ、あの人は私にこんな酷いことを言うの?」だとか「この人はいつも話が止まらなくなって聞いてて頭痛がする」といった体感があると、一層相手のことが嫌になって回避行動を取りたくなります。ストレスを感じる相手とは極力接しない方が良いに決まっていますが、限られたワークスペースの中で働いていると中々難しいもの。物理面ではなく、精神面で適切な距離を保ちましょう。

今日は具体例として私の職場を取り上げて、ネイタルチャートも参考にしつつ検証します。最もシンプルな4つの気質という点から考えます。

私の職場の観点から-色んな人がいる-

私は現職7年目、接客をしつつ企画開発、ワークショップ講師をする仕事です。相手は小学生のお子さん、お父さんお母さんが多いです。ローテーション勤務、5名ほどで働いています。
最初の3年間は安泰でしたが、先輩2人が1度に退職された時から、徐々に職場の人間関係が悪化していきました。
嵐となった原因の一つとして、新しく入社したうちの1名が「胆汁質」の傾向が強かったためです。
胆汁質が強い人は、率先して動いてくれるので助かるものの、意思が強く自分の主張が通らないと攻撃的になるという一面があり、社会生活の中で何かと問題になることがあります。

その方は胆汁質-Choleric(怒りっぽい、短気という意味があります)の頭文字からCさんと呼ぶこととします。

もう一人は、Cさんとは対照的なゆったりマイペースな方でした。少々、雑談が多いところはあるものの、誰とでも朗らかに接することができます。話していると、穏やかな声のトーンで眠くなってしまうくらいですが…なんだかホッとする方です。仕事にスピード感はないものの、着々と覚えていきました。

粘液質-Phlegmatic(無気力、冷静な)の頭文字からPさんと呼ぶこととします。

実はこの2人、施設内の別の部署からの異動でした。
なので、お互い顔見知りであったのですが、この後何が起こったと思いますか。

入社1か月くらい経過したところでCさん(胆)が、
「共有PCのデスクトップやファイルが整理されていないので掃除します!」と言って、他の方にとって必要であったファイルを片っ端から削除したり、
「この表示では相手に伝わりにくい。それに効率が悪いので作り変えます!」
と、元からいるメンバーがつくった書類の形式を勝手に作り変えはじめました。彼女は効率を重視し、自分なりに職場を良くしようと考えたのでしょう。確かにこの3年間、施設の立ち上げ当初からいる割には体制が整っておらず、効率が良い状態とは言えません。
しかし、既に担当が決まっている業務であった為、書類を作り変えられた本人(元々いるメンバー)は突然の出来事に仰天し、自分のファイルまで消されているとパニックになりました。

一方で、Pさん(粘)はどうでしょうか。
私の職場は男性と女性の比率が3対7くらいですが、彼は割とスピリチュアルが好きで、女性に囲まれても化粧品のお話など話を合わせることができます。コミュニケーション能力が高く、人の話をよく聞き、やらない方が良さそうなこと(先輩の仕事に口出しする等)は空気を読んで、そっとしています。周りのメンバーが、Cさんのことで困っているのも知っていました。
「大丈夫ですか」
「僕がやったほうが良いことはありますか?」
相手の仕事を手伝う中で、少しづつ仕事を覚えていきます。

入社して半年が過ぎた頃。
毎月1回の定例会議で、事件は起きました。いえ、その前から何かとギスギスとした展開はありました。

「Pさんが仕事をしていません。サボっています!」

会議中に、突然Cさん(胆)がこの様に話し始めました。Cさんが言うには、Pさん(粘)は雑談が多く、やるべきことができていないとのこと。
一瞬で、場の空気が凍りました。

先述した通り、確かにPさんはマイペースで人より業務を覚えるのは遅かったです。Cさんは自分ばかり仕事が増えていると不満だったのでしょう。元々、2人は別部署で肩を並べて働いていたこともあり、元々不満が蓄積されていた可能性もあります。

Cさんからすれば「自分で仕事を作り出せない奴は無能」です。常に自分の体内から溢れ出るエネルギーを何かに還元しなければなりません。高速で泳ぎ続けないと死んでしまうマグロの様に、次から次へとタスクをこなすことが正しいのです。
問題は、そのスピード感を他者に要求するという点です。

・・・
実は、彼女のネイタルチャートを知っています。
前から予想していたのが、火星座、特に牡羊座に目立つ星があるのではないかということでしたが、星はありませんでした。
その代わり、天秤座に太陽を含むステリウムがあり、対抗サインの牡羊座に圧がかかっているのだと分かりました。
ステリウムの過剰なエネルギーを逃がすため、対抗サインのネガティブな要素が出ているようなのです。

それから、火星♌が冥王星とタイトなセクスタイル、この2つの惑星が角度を取ると"体力おばけ"になると言われますが、さもありなん。
私も冥王星に火星がトラインですので反面教師です。彼女とはハウスが異なると思われるので、エネルギーを発散する方向が違いますが。私は主にものづくりなどの創作活動で熱中します。熱中するあまり、周りに迷惑をかけないようにしようとは思いました…。
・・・

困ったことになりました。
公開処刑のようになったPさん(粘)は酷く落ち込み、できる限り彼女とは一緒に働かないように、と避けて休みを取るようになりました。皆が、彼は悪くないと励まし、ケアをしました。上司にもこの様な状況であると相談して、個人面談にて指摘してもらいましたが…。
結局、PさんがCさん(胆)を避ければ避けるほど、CさんはPさんが憎たらしくなります。Pさんを無視、あえて報連相をしないといった、まるで子どものような態度を取ります。あえて物を乱暴に置くということも。

結果的に、彼は1年で退職していきました。

人を辞めさせる人は、本当の意味で仕事ができるとは思えません。それに、上記のことはモラハラに該当することです。彼と一緒に相談室、もしくは労働基準局に相談してみようか?と聞いたものの、もう…当たり障りなく辞めたいとのことでした。結局、泣き寝入りです。

Cさん、貴方から見ると彼は仕事をしていないように見えるかもしれませんが、他の人から見れば別の役割を担っているのです。彼は人とのコミュニケーションを大事にしていく中で、着実に仕事を覚えていたのですから。


酷い嵐の一年が過ぎて、また新しい方が入社してきます。
この方はある大学で哲学を学んでこられた方です。私の親世代、土星期の方になります。

第一印象、かたい。子ども相手ができるのだろうか、と心配になりました。子どもに対して「こちらでございますか」と言うのです。今では笑い話です。
入社してすぐ、職場の批判がはじまります。ここは、セキュリティーも組織体制もなっていない、と。ごもっともな意見です。よく、この様な体制でずるずるとやってきたものです。

憂鬱質-Melancholic(物思いに沈む)の頭文字からMさんと呼ぶこととします。

Mさんに対して、生意気だと思った方がいます。そう、Cさん(胆)です。それから、不信感を抱いた方がもう一人。以前からいるメンバーのうち1人で、Cさんほどではないものの胆汁質が強い方です。おかしいことはおかしいと言ってくれる方ですが、カッとなりやすいのです。
彼が入社してから、この胆汁質の強い2人が結託して暴走し始めます。
Mさんには、あえて仕事を教えなかったり無視をしていました。そして、全員で会議をする前に、報連相なく2人で物事を決めていきます。
Mさんもプライドが高く、批判し過ぎる。そんな彼に対して一生懸命仕事を教える方…多血質の強い方がいました。

いつも太陽のように明るく陽気で、お喋りが大好き。いつも周りのことを気にして、人一倍思い遣りがあります。あらゆることに対して興味深々で、多方面からやり方を模索するのです。
元々遺跡発掘の仕事をしたかったそうで、エジプトで働いたり中東へ赴いたり。前職はジュエリーデザイナーで世界を飛び回っていました。彼女の月星座は、おそらく射手座。太陽は双子座。

多血質-Sanguine(陽気な、楽観的)の頭文字からSさんと呼ぶこととします。

Sさんは新人が入ってくると一生懸命教えてくれるのですが、話が飛躍しがちです。話始めると止まらなくなって、相手は何が要点なのか分かりません。加えて、書類を作成するにもフォーマットで打つのが苦手で、報告するにも起承(過去の起承)転(さらに過去の起承)結からの起、といったようなエンドレスな文章が延々と続きます。この文章を読む方は、大抵首をかしげます。何を伝えたいのか分からないのです。

・・・
Sさんのネイタルチャートも知っています。彼女の突発的閃きは誰にも想像できないのと、ロッカーに物を溜め込んで整理整頓ができないところなどを踏まえ、おそらく水星と天王星にアスペクトがあるのではないかと予想していましたが、結果はその通りでした。水星に天王星・冥王星がスクエアです。天王星・冥王星合は世代アスペクト。時間帯によっては月が加わってT字スクエアを形成します。
彼女の前職はジュエリーデザイナーで、よく自身が制作したジュエリーを身に付けているのですが、その技巧の細かさと美しさ、時間を忘れて徹夜になる点はある種の天才です。しかし、グループワークとなると…どうにもうまくいかなくて。
・・・

一方で、Mさん(憂)さんは、ノートに理路整然と細かく記録して、着実に仕事を覚えていきます。彼は挨拶してるのか分からないほど物静かな方で、気配に気づかないことも。誰よりも一人で熟考する時間が必要なのと、彼が理解できるように説明する相手も必要。しかし、Sさん(多)はその隙を与えず、一方的に話続けて彼を混乱させました。

そして、事件が起こりました。例によって、以前より歪が生じていましたが…。

「貴方とは、もう働けない。話にならない」

ある時、Mさんが怒ってSさんにそう伝えました。Sさんも怒って「話にならないのは、貴方の方じゃない。失礼にもほどがある」と泣きそうな様子。

MさんとSさんの仲は険悪になり、胆汁質2人の結託も相まって、人間関係は混沌を極めました。今度はMさんが、Sさんと一緒にならない勤務体制を要求します。年度の途中で固定休を変えることができないので、振出・振休のシステムを使って無理やり会わないようにする2人。
そのことを批判する胆汁質2人。Sさんも言っていることは正しいのですが、仕事になっていない面もあり説得力がない。


この状況が2年続きます。
辞めたくても、家庭内の理由があって辞められず。結果、不眠症になって朝まで寝付けない日もありましたが、西洋占星術を勉強し、彼らのチャートを知ることで、何かものの見え方が変わりました。

それから、私自身も少しづつ、胆汁質の行動力を解放しはじめたからだと思います。

2年後、Cさん(胆)と団結していた方が退職されました。実はこの方、自分ができない仕事をおんぶにだっこでCさんにやらせていました。それでもCさんは、ある程度影響力がある彼女と結びついていることで利を得ると思ったのでしょう。何の因果か、最後は泥沼でしたけれど。
Cさんの月は魚座で確定です。魚座とは意外だったのですが、月がブラックホールとなってあれこれ引き受けてしまうのかな、と思いました。これまで最低なことをした人だと思いつつも、別の視点からCさんを見つめる自分がいます。Cさんは誰より自分自身に暴言を吐き、頻繁に怪我もします。暴言は、相手ではなく自分自身に言っているのだ、と気付いたのです。

そして今年に至ります。
当初からいるメンバーは、私とSさん(多)しかいません。
私は元々Sさんと話すのが苦手で、話す度に頭痛がしていました。彼女の何としてでも伝えたいという念力が、降りかかってくるように感じていたからです。ですが、今年に入ってから殆どそういった感覚がなくなりました。
彼女の多血質的要素を認め、下記の通り自身の仕事のペースを変えたためです。

Cさん(胆)といる時は仕事に没頭、スピード感を意識すると彼女はよく話をしてくれるようになりました。私は月が牡羊座・10ハウスにあり、苦手意識はあるものの、とことん突き詰めようとします。それが天秤座ステリウムの彼女に響くのかもしれません。基本的にはあれこれ自分のしたいように迫ってきますが、それならばやらせれば良いのです。あえて相手に主導権を握らせることで、こちらとしても学べることがあります。
彼女は現在火星期、まもなく木星期へ突入です。私も辿る道です。

Sさん(多)といる時は、くつろぎつつ沢山お話をします。そして、自分が今のメンバー仲で困っていることを正直に伝えます。仕事ができない人、とレッテルを貼るのではなく、私よりも経験があって周りを見渡せる彼女に頼ることで、お互いに得るものがあります。彼女からは天王星的な意見を聞き取ります。どんなに突発的であっても彼女なりの理由があり、タスクをこなすことばかりが仕事ではないのです。

Mさん(憂)とは殆ど話をしませんが、私が言いたいことを深く理解してくれる方です。彼といる時は静かなので、よく仕事に集中できます。特に組織体制において、一生懸命携わっている最中で頑張ってほしいと思っています。彼のネイタルチャートにはハードアスペクトが多く、寡黙でいながら、いつも多くのことを考えています。火星と水星の合に、冥王星のオポジションで毒舌なところもありますが、言葉の重みは土星期そのもの。太陽が魚座というところからユーモアな一面もあります。時折、量子力学などの面白い本を教えてもらうのですが、言葉にしなくても知識が溢れているといいますか、オーラが強い。
空想ですが、真っ黒な神父さんの衣装を着せて、聖書を持たせたら似合うのにな、と思っています。

結果的に、MさんとSさんは和解しました。良かったです。これも因果だったのかなと思いつつ、今は2人でプロジェクトを進行中です。

彼らと私は日々、次世代の子ども達と接する中で刺激を受けています。

子ども達にも気質があるのですが、例えば胆汁質の子どもだと何かと目立ちたがったり、乱暴だったりします。しかし、手が足りなくて困ってると「仕方ないなあ。俺、手伝うよ」といって率先してあれこれやってくれるのです。
どの気質が悪い、ということではなく、4つの気質が揃って調和が生まれるのだと感じています。
おそらく、こういったことが私達メンバーにとっての何よりの学びであると感じます。転生した理由とでもいいましょうか。
大人から子どもへ。子どもから大人へ。気質についての理解が深まると良いですね。


長くなりましたが、最後に参考文献を1冊。

4つの気質と個性のしくみ

この本が読みやすく、おすすめです。何度ページをめくってみても、クスッと笑ってしまう表現(やはり胆汁質が面白い)があります。
是非、読んでみてください。

ありがとうございました。

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