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20歳のあの子

不思議なことに、わたしは一回りも歳の離れた女の子とお手紙やメールのやり取りをしている。

その子は、3年前くらいに、twitterで知った。

はじめ、その子の放つ色合いがまったく他の人と違っていて、気になる...と思った。

しばらくすると、好きな本、好きな音楽がいっしょだということを知った。

わたしは、少し感動を覚えた。
今まで、女の子で同じ趣向の人と出会ったことがなかったから。

それから、メールでやり取りをするようになった。はじめは、おもしろい本を紹介したり、好きなものの話をしたりしていた。

その子の言葉は、しんと静かな印象。
でもほっとする。いつもざわざわした心でいるわたしが、言葉を受け取ることで深呼吸できる、そんな感じ。

自分が退職するときにも、その子に打ち明けた。その子にとったら、歳上で、会ったこともないわたしなのに、率直に言葉を伝えてくれた。そして、ずいぶん救われた。

今日、久しぶりにその子に手紙を書いた。

焦らなくても、心配しなくても、見つけられると思うのです。あなたがあなた自身の大切なものをなくさないでいてさえすれば。

いつか会ってお話したい。

#あなたへ #ショートストーリー #エッセイ


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