見出し画像

餡びえんと

休日、自宅徒歩圏内に、レコード屋さん?カフェ?なんだか面白そうなお店を見つけた。
その時はとりあえず素通りし、お店のInstagramをチェック。アンビエント?の専門店とある。なんだそれ。調べれば"環境音楽"とのこと。ふむ。

営業時間は不定期だが、基本的に平日夕方までらしい。なるほど、仕事終わりに通っても気づかないわけだ。でも金曜日はたまに夜営業もやってるそうな。
そんなに畏まった感じのお店でもないし、カフェメニューあってお酒飲めなくても大丈夫そうだし、こんど行ってみよう。


そして花金夜。
入店すると、10席に満たないほどの客席に、お客さんが3名いた。
うち2人は女性で、外国人と日本人。テーブルに向かい合って英語で談笑している。カウンターには男性が1人、お酒を飲んでいた。

とりあえずアイスカフェオレを注文し、カウンターに着席。
店内を見渡してみる。レコード屋にしては扱うレコードの数が少ないと思うのは、やっぱりニッチなジャンルの専門店だからなのだろうか。

店内には、メロディーのない綺麗なギター音が流れていた。これがアンビエントというやつか。
静かに聴き入らないといけないスタイルのお店でもないらしいので、スタッフのお兄さんとお話ししてみる。
近所に住んでて気になっていた店なんですーー的な世間話などなど。

店内で流れるレコードのトラックが変わると、ギター音が若干強めの曲が始まった。
これにカウンターの男性客が反応。このジャンルの音楽にしては珍しい音だったらしい。
また、アンビエントはピアノや電子音がメジャーで、ギターはそんなにない?とか。色々と情報が入ってくる。なるほどなるほど。
一枚購入するつもりで来店したので、私はこのレコードを買うことに決めた。ジャケットもいい感じだし、何よりギターの音が良い。洒落てる。

男性客と店員さんの会話に参加するーーというより聞かせてもらう。音楽について、覚えのない名前がどんどん出てきた。ジャンルとしてはクラブミュージックなのかな。
ひょっとして、音楽詳しくないと立ち入れない空間であったか。まぁ知りたいことがあれば素直に教えを乞えばいいや。

「普段どんな音楽聞かれるんですか?」
と、逆に問われると緊張する。
私の趣味は、明らかにここの客層と違うジャンルだという自覚があった。
「えー……基本的にロックしか聴かないですね」
あまり具体的なアーティスト名を言うのは避けておいた。何となく。
そして会話の端々で勘づいてきた。この人たち、音楽やってる側の人間なのでは。

途中でもう一名、男性客が入店。目当てのレコードがあって来たらしい。どうやら彼はDJをやってるそうな。

テーブル席にいた女性二人組も話に加わる。
外国人の女性はイタリア出身ドイツ拠点のアーティストであるとか。通訳してくれている日本人女性も雰囲気のある方で、只者でない気がする。

おっと素人は我のみでござるか。
……萎縮してきたが勉強だと思おう。

トピックをいくつか抜粋するとーー
ドイツにあるベルクハインという不思議なクラブの話、
表参道ベント、恵比寿スリー、
フミヤタナカ、ヌジャベス、
レインボーディスコクラブというイベントの話、etc……

初めて聴くが、どれも何だか面白そう。知らない文化を知るのも楽しいが、何より好きなものを語っている人の雰囲気が良い。
楽しいひとときだった。

ヌジャベスのトリビュートアルバム
ほか、坂本龍一のアルバムも流してくれた。

女性客らの帰り際、アーティストだという彼女のInstagramを教えてもらった。その場にいた皆でフォロー。
あとで彼女からフォローバックしてもらったようで、恐縮極まりない。

帰宅後、見覚えのないアカウントからのフォローを受ける。誰かと思えばカウンターにいた男性客のようだった。
プロフィールを見れば、やはり。トラックメイカー?DJをされてるような人だった。Spotifyもある。僭越ながら私もフォローバック。伏せていた私の音楽の嗜好がモロバレだけれど、まぁ、いっか…というか、これからふざけた投稿するの憚られるな…

なんともまぁ、不思議な夜だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?