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これは小説です。

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勢いで初めてみました。 短編小説を投稿していく予定です。マガジン名悩み中。
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2021年5月の記事一覧

××さんおめでとうございます。

××さんおめでとうございます。

 クラスで人気者だったあの子を「好き」という言葉で縛り付けてしまった。
 「私も好きでした。」
 そう呼応する言葉は私の予想を超えていた。
 振られるつもりだった。ネタにするつもりだった。
 そんな自分の気持ちとは正反対に目の前にいる人は笑いかけた。
 そうして私たちは付き合い始めた。
 どうしてあの人を選んだんですか?
 どうしてあの人と付き合うことにしたのですが?
 曇り空の雲のようにそうした

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「死」になる。2

「死」になる。2

 そこからの私は退屈なものであり、もがくことも許されずただなされるがままであった。鼻の穴や口の中になにかを詰め込まれ、皆がやいのやいのと私の周りに纏わりついて話をはじめる。
「あの人はいい人でした。」
「娘さん、ご苦労様です。」
私は生きているというのに滑稽なことである。このまま葬式をするのは良いが、その後が問題である。私は仮装されるのだろう。
 感覚がしっかり知っているのというのに、このまま燃や

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