【詩】年末年始に迷うこと

言葉をあてはめて微笑み合う

従来の形のコミュニケーション。

色覚障害で赤が分からない君と見た夕焼けは

微妙にモノクロだったから

眩しくなくて

ちょうどよく綺麗な気がしたよ。

学生時代に住んでた街の景色は

いつまでも変わらず

大人に擦れてゆく僕を

あたたかくしてくれる。

あのラーメン屋が別に美味しくないってことを

社会人になってからはじめて知った。

お風呂上がり

タオルも新しいパンツも品切で

何一つ不自由に暮らしていたのに

空が異常なくらいに広かった気がする。

総菜屋さんの排気口から煙る

すえた油の混ざったにおいすら

あの道の思い出の

なんとなく春のいい夜の

なんとなく幸せに向かって走ってる気分がする

いいにおいに感じた。

ただ桜が咲くだけの公園が

僕らの定番お花見スポットで

ただアイスを食べてたベンチが

僕らのために作られた空間で

ただ夜中に書いてたレポートが

僕らの将来に関わる雰囲気は少しもなかった。

可愛いと言われる定番の見た目してた僕も

少しの疲労で別人になる

別にいま、不幸せじゃないよってことだけ

君に伝えたいけれど

それだけのために君に会いに行くほど

暇じゃないよってことも伝えたくて

みんながうごめく年末に

どこにも行かないでただ

ネットを眺める生活を選んだ

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