【詩】忘れていたこと

遠ざけていた悲しみが

風に運ばれてふわふわと

耳元までやってくる。

ああ、この子のこと忘れてたんだなぁってことに

いま初めて気付いた。

思い出せないことは

消えた訳じゃないけれど

思い出せない時間が死ぬまで続いてしまったら

それはもう

消えたこととおんなじこと。

思い出した方が良かったことが

たくさんある気もするし

ひとつも無い気がするし

たったわたしごときの記憶が

世界にとって無意味だってことは

何度も頭をぶつけながら理解した。

少し酸っぱい方が気付けるよ、でもほら

気付いてどうするの?って気持ちの方が

大きいときもあるんだよ。

お金払って解決するのは

むしろ貧乏人の生き方だって思う。

自然ってどこからどこまで?

畑の野菜を食べて「自然」と叫ぶ農業学生には

農薬と放射能をふりかけとして

おにぎりをにぎってあげたい。

お金の燃やされた世界では

発電力のある人が一等賞で

今よりもっと輝かなくちゃいけなくて

それはすごく窮屈なのに

もっと小さな世界で生まれたい。

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