Bリーグチェアマンクラブ訪問その13 琉球ゴールデンキングス
チェアマン出張シリーズ、今回は琉球ゴールデンキングスへの訪問です。
キングスは沖縄の気候と同じく"アツい"クラブですが、木村達郎代表は10年以上前から「夢のホームアリーナ建設」に向けて動いていらっしゃいました。昔話を交えつつ、今回の訪問を振り返ります。
琉球ゴールデンキングスの「夢のホームアリーナ」建設
「夢はホームアリーナ!」
22日の本紙に知事との対談が掲載されたが、対談の中で夢を問われた時、間髪入れずにそう答えた。
木村代表のこの言葉が掲載されたのは、2009年11月24日の琉球新報。10年以上前、まだBリーグが影も形もないころの話です。当時のプロバスケ界は現在と比べれば興行としての規模もまだまだ小さく、大きめの体育館で試合ができればいいという時代でした。
そんな中でも木村代表は、近い将来、収容人数の限界に達して入場料収入が頭打ちになってしまうであろうことを予見していました。強行日程で本場NBAの視察を行い、少しずつ周囲の人たちを巻き込み、苦節10年。ついにNBAと変わらないような素晴らしいアリーナが完成しようとしているのです。
実は、新アリーナ内部の写真が世に出たのはこのツイートがはじめてとのことです。まだ工事中ではありますが、ここで試合が行われたら一体どうなってしまうんだろうという、とてつもない迫力を感じました。
木村代表をはじめとしたキングススタッフの夢と情熱、そして地元のみなさん、多くの関係者のサポートがあってここまでたどり着いたのだと思います。これだけの長い期間に渡って行政と向き合い、計画を一緒に進めるのはとてつもないエネルギーを要したはず。本当に素晴らしいことです。
さて、千葉ジェッツがbjリーグを脱退し、NBLに参戦した2013-14シーズン。当時ジェッツの社長だった私は、bjリーグの関係者とは断絶のような状態にありました。
そんな中、木村代表と渋谷に飲みに行く機会があったんです。「2人で会ってるのはちょっとサプライズだね」なんて言いながら。木村代表とだけは関係性が続いていたんですね。
木村代表はいつもシルバーのアタッシュケースを持っているんですが、その日はそれを開けてアリーナの構想資料を見せてくれました。そのときはまだほぼ誰にも見せたことがなく、バスケ関係者では私がはじめてとおっしゃっていたと記憶しています。当時もその内容は衝撃的でした。
研究熱心で、建築に興味があり、スポーツビジネスの勉強も熱心にされていて、アリーナに関して日本でも有数の知識を持っている……それが琉球ゴールデンキングス、木村代表なのです。
沖縄の新アリーナが、日本バスケの新時代を切り開く
私がチェアマンに就任後、木村代表と2人で食事をしたとき「アリーナ建設過程を見たい!」と言ったら、まだメディアなどにも公開していないにもかかわらず視察させていただけることになりました。言ってみるもんだなと。
アリーナ構想資料をはじめて見せてもらったのも、建設中のアリーナ内部をバスケ関係者でおそらくはじめて見せてもらうのも私。こういうのは縁だなと思います。
現在使用している沖縄市体育館での試合も視察させていただきました。キングスブースターも熱いし、かっこいい沖縄エッセンスの演出は非常に洗練されています。会場には親子連れも多く、老若男女問わず応援いただいていると感じました。
感染拡大防止のため「ゴーゴーキングス!」のコールも、琉球ブースターの代名詞である指笛も聞けなかったのは残念ですが、それでも試合と演出は大迫力で素敵な試合会場です。
それが、新アリーナではもっと、さらにものすごいことが起ころうとしている。想像して思わず身震いしました。とにかく楽しみです。
車で10分ほどのところにあるグッズショップも見せていただきました。
沖縄の新アリーナは来年のBリーグオールスター開催地となりましたし、FIBAバスケットボールワールドカップ2023予選ラウンドで使用されることも決定しました。これからどんどん新しく魅力的なアリーナが増えていく中で、先鋒を切ってくれるのが沖縄の新アリーナです。
新アリーナは、バスケ界の変革を世に示すのに十分すぎるインパクトを与えてくれると思います。Bリーグすごいね、日本バスケすごいねと多くの方々に感じていただけるのではないでしょうか。
琉球ブースターのみなさんはジェッツ時代からいつもよくしていただいています。今回おみやげもたくさんいただきました。ありがとうございます。
沖縄の新アリーナは来年春ごろにこけら落としになると聞いております。キングスブースターのみなさんはもちろん、日本バスケファンのみなさん、大いに楽しみにしていてください。