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わたしの本棚145夜「SMALLISSUE」

 栗林浩氏の第二句集です。栗林氏には、わたしが「蜜柑の恋」を上梓したときに、ブログで紹介していただきました。共著である「坪内稔典100句」「俳句の杜2019」などの折にも。感謝しています。

  今回、「SMALL  ISSU」を上梓され、御恵贈いただきました。現在、澤好摩代表の「円錐」、高野ムツオ主宰の「小熊座」、今井聖主宰の「街」、塩野谷仁前代表(清水怜代表)の「遊牧」に所属し、評論や俳句論、俳句エッセイの分野でも、総合誌や協会誌でもご活躍です。

 2019年から3年間の295句をおさめた句集であり、題名は「着膨れて立売の手に「BIG ISSUE」」という俳句に因んで、「BIG」より「SMALL」が相応しいと名付けたそうです。

☆「SMALL ISSUE」 栗林浩著 本阿弥書店 1500円(税込み)

 持ち運びに便利な、文庫本サイズの小さな句集です。13章のモチーフによる分類がされており、章立ての最初には、格言や小さな文章が書かれています。13章の章立ては、社会現象、ただごと、うぶすな、草木鳥獣虫魚、ひとを詠む、いのち、近過去、昔のこと、戦争・テロ、身体感覚、幻視、空想世界、過客でなく、と多岐にわたり、幅広い見識と博学が下敷きになっています。そんな中、好きな5句です。

☆過激派にならず鉦叩にも生まれず

☆金魚屋のとなり硝子屋三味線屋

☆わたくしを捜す放送秋の暮

☆北駅の朝顔青しパリ青し

☆マフラーは僕の目印立見席

#栗林浩 #本阿弥書店 #SMALL ISSUE #読書感想文

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