見出し画像

わたしの本棚91夜~「鐘」33号

 大阪女性文芸協会が年に1回発行している雑誌です。大阪女性文芸賞を発表しています。地方の小さな賞としては珍しく、今年で38回目を迎える賞ですが、選考委員の先生方をはじめ、いろんな方の善意と努力で、今年も無事に発行することができました。

☆「鐘」33号 大阪女性文芸協会・編集発行  820円(税込み)

 大阪女性文芸協会は任意団体として1983年に、女性の手で運営する文学賞を設け、女性の文学の向上に役立つ活動をする組織を作ろうと、大阪府内の女性作家が中心になって設立した協会です。
 その活動に、大阪府から2度「地域文化奨励賞」をいただき、1996年には現在の名誉会長が大阪市より大阪女性文芸協会の活動を通じ女性の地位向上に貢献があったと「きらめき賞」を受賞しております。(HPより、抜粋)

受賞作「その周囲、五十八センチ」 石田夏穂 (東京都豊島区)

佳 作「尻に火がつく」      高田智子 (滋賀県東近江市)

応募総数211編
選考委員 中沢けい氏 町田康氏 

協賛 アサヒビール(株) 岩谷産業(株) (財)関西電気保安協会  大和ハウス工業(株) 丸一鋼管(株) (株)ミライト・テクノロジースラボレムス(株)

後援 朝日新聞大阪本社 産経新聞大阪本社 毎日新聞大阪本社 讀賣新聞大阪本社 (五十音順)

今年の受賞作は、脂肪吸引の話であり、女性の生きづらさを活写しており、共感を得るものだと思います。佳作は女性消防士の話です。選評で先生方が述べられているように、今年は「努力」を強いられる女性を描いているものが多く、それが時には自虐や自殺(自分殺し)にまで至るという生きづらさを描いていました。

村田沙耶香氏の「コンビニ人間」宇佐見りん氏の「推し、燃ゆ」もそうでしたが、今、多くの人が傷つきやすい心を持ち、社会で生きづらさを感じており、「コンビ二」や「推し」に逃避に近い、居心地の良さを求める風潮です。そんななか、「脂肪吸引」で見た目にこだわったり、女性消防士としての葛藤であったり・・・という女性たちを描いた作品が今年の受賞作になりました。

#鐘 #大阪女性文芸賞 #読書感想文   



 


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?