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窓辺の本棚

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本棚にある本を紹介します。わたしの本棚の続きです。令和5年以降から
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記事一覧

文藝春秋9月号~「サンショウウオの四十九日」「バリ山行」を読んで~

 今季の芥川賞は二作品同時受賞で、しかも文藝春秋には全文掲載だったので、ありがたく読みま…

百日草
6日前
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歴史が語りかけてくるもの~「まいまいつぶろ」を読んで~

☆まいまいつぶろ 村木嵐著 幻冬舎  1800円+税  初代家康、二代秀忠、三代家光、五…

百日草
12日前
25

画期的な~音数で引く俳句歳時記~

 手元にある電子辞書で「歳時記」をひくと、①1年のうち、そのおりおりの自然、人事百般のこ…

百日草
1か月前
32

同人誌「朝 45号」

 村上玄一氏が発行人を務める同人誌です。巻末には、ゲスト含めて19名の氏名があり、11の…

百日草
2か月前
32

それでも前を向く~サッカー本大賞受賞作品~

 一週間前に読んだ「オシムの遺産」(サッカー本大賞特別賞受賞作品)がとても良かったので、…

百日草
3か月前
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オシムの遺産~彼らに授けたもうひとつの言葉~

 日本サッカー界に多大な影響を与えた元日本代表監督、元ジェフユナイテッド市原監督であった…

百日草
3か月前
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文藝春秋3月号「東京都同情塔」を読んで

 知的でSF的で批評的で、しかも読みやすい文章でした。今年上半期 の芥川賞受賞作「東京都同情塔」面白くよみました。  文藝春秋3月号は特別号で、「東京都同情塔」が全文掲載され、選評まで載っています。選評を読むと、平野啓一郎氏が幻惑的な構造計算と題しして、述べており、一番しっくりきました。 「バベルの塔の神話を主題に、言葉と物との関係のとあるべき理想とを、 自ら構想中の塔と同化するように倒錯的に模索する女流建築家の造詣が冴えており」→サラ・マキナという女流建築家を中心とした

茶の湯とデザイン大全~カーサブルータス特別編集~

 2022年千利休生誕500年を記念して編まれたマガジンハウスのムック本です。 ☆茶の湯…

百日草
9か月前
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文藝春秋9月号「ハンチバック」を読んで

☆「ハンチバック」 市川沙央作 「文藝春秋9月号」 1200円  9月号の文藝春秋は、芥川賞…

百日草
11か月前
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「和菓子を愛した人たち」虎屋文庫~

歴史上の人物100人の和菓子との思い出です。紫式部から森茉莉、朝ドラ主人公の牧野富太郎ま…

百日草
1年前
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文藝春秋5月特別号~私の人生を決めた本~

 今月号の特集が面白かったです。「私の人生を決めた本」で、読書家81人による史上最強のブ…

百日草
1年前
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話題の本「呪いを科学する」~中川朝子著

 第39回大阪女性文芸賞を受賞した中川朝子さんの本です。現役の医大生であり、純文学とSF小…

百日草
1年前
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話題の本「無人島のふたり」~山本文緒著~

 よく書いてくれました、と読後、思わず、呟いてしまいました。どんなに怖く、しんどかっただ…

百日草
1年前
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話題の本「ケチる貴方」~石田夏穂著

 第38回大阪女性文芸賞を受賞した石田夏穂さんは、翌年、筋トレを題材にした「わが友、スミス」ですばる文芸賞佳作受賞、芥川賞候補作となりました。去年、「冷え性」を題材にした「ケチる貴方」では、野間文芸新人賞候補になりました。  第44回野間文芸新人賞候補となった表題作と第38回大阪女性文芸賞受賞作を加筆訂正したものを同時収録した単行本が、先月末、上梓されました。帯は各賞の選考委員の先生の選評です。  主人公の不機嫌さは極端な冷え性ゆえで、よく読むと類型的な「不満持ち」ではな