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Vol.6 わたしの不動産人生 ~注文建築の部署へ出向編~

こんにちは。
nUe(ヌエ)株式会社の今井です。
注文建築の世界に興味を持ったきっかけとなった出向時の経験を書きたいと思います。

■注文住宅の部署へ短期出向の辞令

2年目の頃、わたしは突如、注文建築の部署へ短期出向が命じられました。
この経験をきっかけに3年後(5年目)注文建築の世界に飛び込む決意をしました。

不動産仲介と注文建築の部署はお互いが紹介を出すと社内的に評価が高かったため、注文の営業マンは不動産仲介の店舗に注文住宅を建てたいお客様の紹介をもらう目的で、頻繁に顔を出し社内営業をかけていました。
注文の部署は当時4つあり、商品やコンセプトによって事業部が分かれておりました。
ざっくり分けると和風、洋風、モダンとある中で4つ目の部署はデザインに特化しているSという部署がありました。(後にわたしはこのS部署に完全移籍をします。)
どの部署も基本はスーツを着ている中、S部署だけは異彩を放っていて私服で活動をしており、スタッフの車もほぼ全員が外車、S部署の人はアパレル関連の人かと見間違うほどでした( ゚Д゚)
しかも営業マンの肩書はプロデューサー、設計はデザイナーという肩書になっており、S部署は明らかに同じグループ会社とは違う世界にいて、異彩を放っていました。
建物も明らかに他の部署とは違って、これってハウスメーカーで作った建物なの?と思うようなシンプルなデザインが多く、特にチラシがとても素敵で、一度で良いからこんな家に住んでみたいと思わせるものでした(*’▽’)
今ではデザインに力を入れているメーカーもかなり多くなりましたが、当時はどの会社も性能押しで、デザインは二の次だったので、業界的にもかなり際立っていた印象でした。

ある日、私は所長に呼ばれました。

「今井、S部署って分かるよな?お前、二ヵ月だけそこに出向が決まったから、何とか頑張れ。」
ええええっ!!S部署に出向ですか!?これは何かの間違いだろ( ゚Д゚)

まだ二年目の若造の不動産営業が、ましてや建築経験も全くない私が出向とはいえ、S部署はとにかく個性派集団でものすごく敷居が高いイメージが強かったため、場違いも良いところで、得体のしれない恐怖感がありました(ノД`)・゜・。

当時の注文建築の業界は建替え客を営業するスタイルが主流で、『土地なし客』=『冷やかし客』と認識されておりました。
S部署は土地建物一体提案をコンセプトにしており土地がないお客様であっても土地探しからサポートする体制になっておりましたので、S部署のお客様のほとんどが土地を探してあげてから、建物の契約をしていただくという手法でした。
そのため、S部署は不動産業界にどっぷり漬かっていない若手の不動産営業を出向させて、土地探しができる人材の育成を行い、不動産部署の各店とのパイプを作るという戦略でした。
ただ、最大の不安は出向前時点での私の土地取引経験はたったの一件のみ(;゚Д゚)

わたし、役に立つのかしら、、、(;’∀’)

■出向初日に怒られる

出向初日、わたしは緊張で全く眠ることができませんでした。
しかも私服で出社するように言われていたのですが、気の利いた私服なんてありません(;・∀・)
とりあえず今ある私服を着て、出社することに。
これがS部署のボスの逆鱗に触れるきっかけとなってしまった。
朝礼でボスが私を見るなり開口一番、

ボス『このクソガキが!なんだそのダサい格好はぁぁぁ!お前みたいなダサいやつから、うちに来たお客さんがお前を見て素敵な家は建ててもらえると思えるかぁぁぁ!!!(# ゚Д゚)』

こんな展開を予想しなかった私はあまりの迫力に完全にフリーズ(゜o゜)
ボスの指令で部署一番のオシャレなN先輩に、私をそのまま洋服屋と美容室に連れていき、コーディネイトをするように指示をされました。
N先輩は完全に嫌そうな顔をしており、渋々と私を連れまわすことになりました(;´・ω・)
N先輩は面倒臭そうではありましたが、洋服選びはとても早く、組み合わせも完璧で、自分では絶対に選ぶことのない洋服ばかり、しかもそれが自分に合っている感じがして、さすが部署一番のオシャレなN先輩。
私はコーディネイトされ、髪型や身なりが変わったことで自信にもつながりました(*‘∀‘)
この経験を得ただけでも出向に来てよかったと思いました。
しかし、使った費用総額は約10万円( ;∀;)
2年目の新人社員にとっては痛い出費でした。
事務所に戻るとあれだけ怒り狂っていたボスは満面な笑みで

ボス『いまい~、素敵になったじゃないか~(*'▽')』

と喜んでいたので、安心はしましたが、早朝にあんなに激しくキレられていたため、笑顔であっても緊張は崩せませんでした。

■考えること、言葉の責任を求められた朝礼

一見、チャラチャラしてそうな集団に見えていたS部署でしたが、外からの見え方からは全く真逆で、プロ意識は非常に高く、朝礼なんかは毎日がっつり30分以上はやっておりました。
その中でも特に印象的だったのは、グループ会社の経営理念や経営方針の読み合わせを徹底していることでした。
それまでの不動産店舗での朝礼は形式的なもので、上司の話しは特に耳には入っておらず、退屈なものだったので、S部署に入って初めてグループ会社の考え方や価値観などを理解したのを覚えております。
S部署の朝礼は独特で、司会進行は必ず新人や若手がやることが慣例になっており、その進行が悪いとかなり叱責を受けるため、若手はとにかく朝から緊張しっぱなしです。
当然、出向のわたしも例外なく司会進行の役割が回ってくるため、他の司会進行している人に流れを確認して、必死に記憶してロープレしたのを覚えています。
その中でも、もっとも緊張するのが、読み合わせした文章に対して、ボスからランダムに感想を指されることでした。

ボス『感想は・・・、〇〇くん~(*’▽’)(この時はまだ笑顔。)』
指名者『ドキッΣ(O_O;)(やべ、何も考えてない、、、。)』

指名者がありきたりな感想を言ったり、話しがつまらなかったりすると、とにかくボスから叱責されてしまいます。

ボス『何も考えてねぇのかぁぁぁ!!!(# ゚Д゚)』とか
『全然つまらない。新聞みてねぇのか(゚Д゚)ノ』など。

なので、自然と経営理念や経営方針に対して、事前に文章を読み、それを理解して、自分はどう思うかを考えるようになります。
しかも、その自分の発言次第では、その発言に対して色んな人から意見を言われることも多々あり、とにかく発する言葉に責任が伴うという緊張感がありました。
新人のわたしは、とにかくこの意見のやり取りに緊張し、意見や意志の強い人が生き残る弱肉強食な世界なのだと実感したものです。
不動産部署との違いとしては、S部署には上下関係という意識は存在していないということです。
不動産の部署では役職が上になれば、下の役職の人は上に意見できない感じでしたが、S部署は事業部長であるボスや役職が上の人でも全員さん付けで呼んでおり、社員が主任係長に意見する光景は珍しくなく、例え事業部長であるボスであろうとも、進言する勇気がある人は、意見をぶつけ合います。
そのことが原因で左遷されたり、異動させたれたりすることは絶対になく、どちらかと言えばボス自らその状況を煽っている感じでした。

ボス『俺に文句があるならいつでも言ってこぉぉい!!!!(# ゚Д゚)』

まぁ気持ちが弱かったり、意見がない人は恐怖で何も言えません(笑)
なので、役職で威張っていて、実力がない人が仮にS部署にいると、基本的にはこてんぱにやられてしまいます(;・∀・)

意見者『あの時にああいうこと言ってましたけど、あなたは何ができるんですか(ะ`♔´ะ) ガルルル』みたいな。

まさしく自分のことを棚の上に置いた発言はご法度で、特に役職が上になると自然とそうなってしまう人も当然いると思うのですが、S部署は一瞬にして化けの皮を剥がされてしまいます(´;Д;`)

2年目のわたしにとっては、かなり強烈な怒られ方を数えきれないほどされ恐怖ではありましたが、人の話しを聞く姿勢が身に付いたり、必死に考え発言するような意識づけができたり、言われていることもプロとしての姿勢を常に問われるという内容が中心であったため、つらくはありましたが、楽しい印象の方が勝りました。
新人であっても客前に出る以上は、プロとして努力、才能を磨くことを怠ることは許されないというシンプルな部署だったため、この時点ではまだS部署に異動したいという気持ちはありませんでしたが、限られた期間一生懸命やろうと決意したのを覚えています。

次回は、なぜ私がS部署に異動することを決意したのか、不動産とどのように関わるのかを書きたいと思います。


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