【短歌六首】これはうるう席
今、金子みすゞさんが生きてたら、どんな詩を書くのかなあ。
◆□◆□◆□◆□
死を乱用しすぎた街に降ってくる胞子よ種よ教えてくれよ
赤ちゃんのように詩集を抱いていま騒ぐことばをあやしているの
口笛にすらならなくてゆるく裂く詩をよけながらかすれた声で
2円分足りない切手に気が付いてピースサインを書き足している
減らされたベンチの代わりシーソーの釣り合わないね空気とぼくは
ほんとうはもうひとりぶんあるけれどこれはうるう席 きっといつかは
◆□◆□◆□◆□
/とわさき芽ぐみ 2021.1.5
ヘッダーイラストはnoteの「みんなのフォトギャラリー」より、kyokokomatsuさんからお借りしました。ありがとうございます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?