BtoBセールスの原理原則1 きっかけ
新宿の本屋さんで、「営業関係の書棚」で本を見ていた時に、今年、就職が決まっている風の2人が、営業の本を探していました。「営業の本は、学術的じゃないんだよね」「自分の経験談のような内容が多い」と言っていました。なんとなく腑に落ちる会話でした。「学術」とは、辞書に「専門的な研究として行われる学問。原理と応用・技術を含めていう」と記載されています。かねがね疑問に思っていることがあります。文系大学生の約7割は営業職に就くと言われています。それなのに社会人になる前に営業に関して学ぶ機会は、ほとんどありません。大学では、経済学や経営学、マーケティングや金融などの講義はあり、学問として確立していますが、「営業学」のカリキュラムを聞いたことがありません。不思議です。「営業」関連の書籍を見ると「BtoC」の保険営業の顧客が個人対象の書籍が多いです。凄いと思うことはたくさん書いてありますが、属人的ですし、私などではまねできない内容です。
多くの学生は、卒業後初めて何も知識のないまま営業を経験します。私が新卒で入った会社は、約半年かけて研修をしてくれたおかげで、営業のイロハも知らない人間が、何とか営業職として働くことができました。今でも感謝しています。しかし、そくなに恵まれた環境で、営業を始められる人ばかりではないと思います。いきなり営業現場に出る人もいるでしょう。どうしたら良いか悩む人もいると思います。少しでも事前に営業のことを学んでいれば、助けになることもあるはずです。今回のエッセイは、新卒で初めて営業を経験する人たちを対象として書こうと思っています。営業は、4K4D+Dの仕事だと言われることもあります。「勘と気合と経験と根性」。「度胸と妥協と出たとこ勝負とどんぶり勘定」。そして「土下座」です。そうした側面もありますが、現代はそれだけで営業を続けるのはつらすぎます。
私は、営業は、ロジカルでサイエンスな活動だと思っています。相手がいることですから、コミュニケーション能力も要求されます。「心理学」の要素もあります。私が過去に読んだ本で、一番営業の参考になったのは「影響力の武器」です。心理学に分類されている書籍です。今回は、出来るだけ属人的な知識と経験を排除して、誰でも再現できるプロセスと手法を可視化して標準化しようと考えています。どこまで「学術時」になるかは分かりませんが、出来るだけ論理的な内容にするつもりです。過去に出版した「PM流 法人営業の教科書」をベースに改訂します。「営業プロセス・マネジメント」の内容になります。