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10円玉を渇望する夢

今朝の夢で、わたしは10円がほしかった。資産はまったくない。預貯金も、財布すら。

稼ぐ方法がわからない。夫はわたしにお金を渡さない。何でも買い与えるからである。わたしはマンション内の誰かを頼ることにした。10円と交換してもらえそうな雑貨(シール、使用中文房具の類)を所有していないか、住居を観察した。部屋はとにかく白く、生活に使いそうな道具も装飾らしい物もないといっていい。ぴかぴか光る真っ白い床、純白のベッド。

社会には物が溢れて、だいたい何でも無料で手に入った。その都度もらえた。ふしぎと不足がなく、不満も生まれない。

マンションの別棟の島倉千代子さんの家に、マンションの住人達が呼ばれた。30歳代の男女とその子供が、全部で15人はいたと思う。パーティーというわけでもない。8つもある部屋で、みんなが思い思いに過ごす。食卓で島倉さんとお話しする大人達がいる。浴室で性行為をしてもいい。

わたしは10円玉がほしいことの執着をなくしかける。

寿司職人出身の若い職人さんが、マンションの住人の共有の料理人になった。利用するのにお金はかからない。マンション費用を負担する夫はともかく、わたしはお金を払わずに好きな食事を準備してもらえる。

わたしの「私物」はほとんどないけれど、そもそも生活するのに物がいらないようだった。タオルを使いたいときは、そう心配になる間もなく、つまり手や体を濡らす前に、新品の白いタオルが手の中にある。島倉さんの部屋の物は何でも使ってみていい。

10円玉はまだ手に入らない。10円の支払いが差し迫っている可能性も考えてみたが、やっぱりない。

ありがたいことです。目に留めてくださった あなたの心にも喜びを。