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ときどき新聞を広げたい

わたしは月に1回、新聞を読んできた。通院中の整形外科の会計待ちのときに。それが2020年夏頃には撤去されて、吊り下げのスペースがすっからかん。わたしは大きな情報源を失った。

悲しい事件・事故にいつまでも強く心が引きずられるのを嫌って、ネットニュースを見ることができず、うちでテレビをつけない、新聞も来ない。昨今、あんまり外に出ちゃいけないっていうのが、みんなの遠慮か恐怖心から来る総意ではなかったと、先月知った。お上の通達はわたしに届かない。

低血糖で1人の外出ができない今、新聞を読もうっていう気が起こったら。つまり、「今日読みたい」と思いたった日に、宅配してもらえるんだろうか。夜か夕方に、当日の朝刊を、である。

整形外科には朝日新聞と毎日新聞が下がっていた。両方を家族に頼んで買ってきてもらうのが現実的か。朝刊が回収される前に間に合えばの話。新聞に書いてある、新しくて悲しい記事は、社会面や地域面に固まっていることが多いから避けやすい。わたしはがんばれる。

整形外科に新聞が戻る日は来ようか。なくても平気なんじゃないかと判断されたら、わたしは二度とあの場所で情報を得ることができない。月1回で足りる、あの新聞を無料で読めた、ささやかな安心。それは安いんだけれど、ないとなったらいずれ本格的に不足を覚える。

ありがたいことです。目に留めてくださった あなたの心にも喜びを。