一つの命
どんぐり自然学校(シュタイナー教育ベースのフリースクール)では、
毎年、子どもたちが田んぼで米作りをしている。
今週は、代かきをするため、学校から車で20分ほどの
所にある田んぼまで行って、2年生は田んぼでどろんこ遊び
4、5年生は、代かきをしていた。
その田んぼのそばで、5年生の男の子が子猫を見つけたらしく、
近くに母親猫がいる様子もない上、かなり衰弱していたようで
子どもたちは、その猫をどうするかみんなで考えを出し合った。
途中で、田んぼの仕事に戻り、その後もこの猫をどうすれば良いのか?
何度も何度も話し合ったそうだ。
そして、学校に連れて帰ってくるという選択をした。
先生方は、連れてきた猫の様子を見て
「すぐに病院に連れて行った方がいいですね。」と声をかけられて
また、そこにいる子供たちで話し合った結果
近くの動物病院に連れて行った。
そこで、見てくださったお医者さんが言うには
「あと1日か2日遅かったら、目が見えなくなっていたでしょうし
おそらく生きていなかったかもしれません。
よく連れて来てくれましたね」
と言って感動されていたようで・・・
一つの命を皆さんは救ってくれたんです。ありがとう
と言ってもらえたのだった。
ひとまず、交代で子猫を連れて帰り
お世話をすることになった。
まだ、ちゃんと飼える人がいないけれど、
9年生(中3)たちが、ミルクの時間を決め
おしっこのサポートもし、どんぐりのみんなで
話し合いながら、この一つの命を大切に育んでいる。
まるで、そうすることが当たり前であるかのように
子供たちは、心温まる結果に繋がる判断をし
決断をする力を身に着けている。
大人たちは、この子供たちの純粋で慈悲深い心を
尊重し、大切に育てていくことが重要な役割になってくる。
子供たちが素晴らしすぎて、追いつかないよって思えるくらい
人間として、素晴らしい光のような存在に私には思える。
草木や花、動物たち、石や虫そして、人
全て命ある大切な存在として見ることができる感覚
それを体で感じて覚えて自分のものにしていく学びが
どのように現実的に活かされるのかが垣間見えた出来事
でしたので、紹介させていただきました。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。