メジャーリーグ観戦旅行記:サンディエゴ
ヒューストンから向かった次なる目的地はサンディエゴ。
アメリカの国内線の洗礼を受け、機内が熱すぎること、機長が到着しないことを理由に飛行機が2時間遅れました。
横にいたお姉さんは陰謀論を振りかざして「彼らは本当のことを言いたくないだけなんだわ!」と激おこ。もし機内の熱さが本当に原因ならば、このお姉さんが搭乗したらまたしばらく飛行機が飛ばないのではないか、と心配になりました。
フライトはあっという間でした。同じような時間で日本だったら東京から札幌という大移動ができてしまうんだな~ってことを考えると、やはりスケールが一回り二回り違う大国に来たんだということを感じざるを得ませんでした。
初日:サンディエゴ着
飛行機の遅延のせいで試合に影響が出ないか不安だったのですが、なんとか開場時間には間に合いました。
そして見えきました。ペトコパークです。
サンディエゴの陽気で涼しい気候と全体的に白が基調の建物のイメージもあって、初見は爽やかな印象を受けます。
検査を受けて球場へと足を踏み入れると、トレバー・ホフマン像がお出迎え。
「本当の成功への近道はない」いい言葉です。
かっこよすぎたので、思わず写真を撮りました。
そして、チームストアへと早速移動。家族はそこでタティスのシティコネクトジャージを購入していました。そもそもなぜサンディエゴに来たのか、というとタティスを見に行きたい!という家族の要望があったためでした。
僕はといえば、ボブ・メルビン監督のカスタムジャージを作るべくカスタムジャージ専用のタッチパネルをポチポチしていました。しかし、係員の人に聞いてみると、カスタムジャージは3週間後に完成するとのこと。他の球場ではだいたい即日のイメージだったので、面食らいました。
メルビン監督のジャージは断念し、マニー・マチャドのジャージを購入しました。
あまりアピールはしていないんですが、実はボルティモア時代からマチャドのファンです。ファンタジーでもほとんどのダイナスティでマチャドをドラフトしているくらい。
かつて『Slugger』に懸賞があった時代、小学生の僕は拙い字でハガキを送り、見事にマチャドのサインボールとフィギュアを射止めたことがあります。それがきっかけですが、マチャドのプレーを見れば、好きになる理由を見つけるのはそう難しくないことでしょう。
『Slugger』に送ったハガキといえば、これまた小学生の僕がやってほしい企画というアンケート項目に「有望株名鑑をお願いします」と書くと、偶然かもしれませんが数カ月後に本当に有望株名鑑が掲載されていたことがあります。
閑話休題。
パドレスのチームストアなのですが、正直言ってかなり魅力的です。何しろグッズのデザインが素晴らしい。
今のブラウン基調のデザインとなってから、日本であってもファッショングッズとして注目を浴びるパドレスのグッズですが、グッズのバリエーションは最高です。
ホフマンの時代には青を取り入れたデザインもあったことから、チームカラーの幅が広いというのが大きいんだと思います。ビビッドでカラフルなシティコネクトジャージもその一助でしょう。
また、タティスやソトを代表として絵になるスターが多いこともあって、選手個人のデザインTシャツも多く取り揃えていました。放っておくと別の買い物をしてしまいそうだったので、チームストアの横に構えるチームの博物館に移動しました。
チームの博物館はというと、失礼かもしれませんが、小さいです。
入ってすぐ左手には球団成績ランキングがあるのですが、トニー・グウィンとトレバー・ホフマンが笑ってしまうくらいに傑出しており、後には最近の強くなかった時期にプレーしていた選手が名を連ねていたりします。
ホフマンとグウィンはとにかく人気がすごく、この2人の復刻ユニフォームを着ているファンの数はかなり多かったです。少なくともミニッツメイド・パークにいたビジオやバグウェルとは比べ物にならないレベルで。
あとは球場内のメモラビリアショップなどにいくと、タティスとマチャドが中心になってからのチームがどれだけ愛されているかを実感します。
今やチャージャースもサンディエゴを去り、残された唯一のメジャースポーツとなったパドレスは、市民にとって愛情の的となっていることを肌で感じました。
そして、一度試合が始まると、ペトコパークはパドレスファンが作り出す素晴らしい雰囲気に包まれます。
パドレスの対戦相手はオリオールズでした。
2020年シーズン特に熱心にオリオールズを追っていた僕にとってはかなりの幸運でした。
1試合目のマッチアップはこのシリーズの中でも最高で、グレイソンとダルビッシュの投げ合いになりました。
さらに1試合目はブルペンの真横の席を選んだため、この2人のアップを間近で見られました。
そしてアドリー・ラッチマンの姿ももちろんありました。この接写を収めた後、係員に注意されてネット際を立ち退きました。
ラッチマンがマシンを使ったキャッチング練習を行った後、グレイソンも登場。「グレイソン!」と呼びかけると、返事をしてくれました。
そしてパドレスの先発はこの方。
かっこよかったです。
ブルペン間近の席のいいところはブルペンの様子を観察できるところです。
先発投手がアップを終えると、ブルペン陣がブルペンに入ってきます。もちろん藤浪晋太郎の姿もありました。
BPから見ていると他のチームとの違いがはっきりと分かるのですが、オリオールズはかなり自由な雰囲気なことが見て取れます。
BPの間、投手は外野で球拾いするのが通例のようですが、オリオールズの投手陣はほとんどベンチ内での調整に当てているようです。
さらに、こうやって試合前にブルペンに入ってくると、この写真のようにみんなでマウンドのところに列を成します。
何を始めるんだろうなと思って見ていると、1人ずつボールをコロコロと転がしてホームプレートに置いた目標に向けて、ボウリングの真似事のようなことをして遊び始めたのです。
一体感があって、楽しい雰囲気が流れているんだということが、スタンドからでも分かる一幕でした。
試合が始まります。
ブルペン脇の席からの視点を拡大するとこんな感じでした。投手の球筋が見やすくて結構良いです。あと上にモニターが付いていたので、見比べるのに便利でした。
試合は投手戦でした。
ダルビッシュは結果的に負け投手となってしまったのですが、曲がり幅の大きい変化球でコーナーを突く様が席からはよく見え、スライダーとシンカーが決まるたびにため息がこぼれました。
しかし、この日はグレイソンが圧巻。常時100mphの4シームをビシバシ高めのコーナーに集め、落ち幅の大きいチェンジアップで空振りを奪う…。ストラスバーグの後継者はこのグレイソンかもしれないと思うピッチングでした。
レフトはソト。イニング間のキャッチボールで使うボールをスタンドに投げ入れるのが慣例となっていて、スタンドはイニング開始前になると湧き上がります。
マリンズ。この日はホームランキャッチに勝ち越しホームランと大暴れしたマリナーズ戦の翌日でした。
ダルビッシュ対ラッチマン。
試合は僅差のまま終盤へ。
ブルペン横に座っていると、ブルペンの電話の呼び鈴の大きさにびっくりします。電話が鳴れば観客席でも気づきます。
だから、藤浪選手がフーディーを脱いで体を動き始めたとき、まだ電話が鳴っていないことも分かりました。
まだ誰も体を動かし始めていないときから、体を動かし始め、壁当てをスタートさせる藤浪選手。
これが最近出番がないリリーバーが体を動かしているならともかく、藤浪は前日にタイブレークに登板してセーブを挙げていました。
アスレチックス時代のエピソードとして、藤浪が初セーブか初勝利を挙げたとき、本当は登板予定が無かったことを思い出しました。登板予定が無いにも関わらず、体を動かしている藤浪を見て、コッツェイ監督が登板を打診。藤浪は見事に期待に応えて、タイブレークの局面を切り抜けたのでした。
デビュー当初のパフォーマンスから今では明らかに違うとはいえ、まだまだ安定感があるとは言い難い藤浪ですが、首脳陣からの信頼が篤いのはこういう献身性なんだなと感じました。
そして試合は9回。藤浪がバティスタと並んで本格的に準備を始めます。
点を取れば藤浪、点を取らなければセーブシチュエーションでそのままフェリックス・バティスタという判断になりそうでした。
この2人の大男によるブルペンセッションはすさまじく、銃声のような捕球音が響き渡っていました。
横にいたオリオールズファンが「フェリックスはまだまだ軽く投げてるぜ!こんなもんじゃないんだぜ!」とパドレスファンにイキり散らかしていました。でも確かにどんどんギアが上がると、生きてボールが叫んでいるんじゃないかと思うような豪速球が投げ込まれるようになるのでした。
結局、そのまま得点はなく、9回裏のマウンドにはフェリックスが。
多分、実際に見た人間の中でフェリックスが一番デカかったと思います。縦はもちろんなのですが、胸板の厚さや存在感がすさまじく、デカいトーテムポールが動き回っている感じでした。
9回裏、パドレスの上位打線はチャンスを作ります。フェリックス対ソト、至高のマッチアップ。
しかし、この日はフェリックスに軍配。オリオールズがこのまま逃げ切りました。
この試合の後にはさらに嬉しいことが起こりました。
出番がなくブルペンで試合終了を迎えた藤浪選手にサインしていただくことが叶ったのです。
藤浪選手からサインをいただくのは難易度が高いことのようですが、横に恐らく阪神時代からの熱心なファンの方がいらっしゃって、その方の呼びかけに応じて来てくれました。僕はアスレチックス時代からの熱心なファンとして、A'sキャップを被ってサインをいただけました。嬉しかったです。
この日はオリオールズのユニフォームを着て観戦していたのですが、横にいて一緒にサインをもらったオリオールズファンのちびっこたちと一緒に勝利の喜びを分かち合うことが出来ました。
しかし、一歩ペトコの外に出ると、若いパドレスファンに「お前オリオールズ着てるやん」と言われてしまい、これは明日からはマチャドのユニフォームにしようと思いました。流石に。
2日目:サンディエゴ観光
観光にお金は使わないポリシーで慎ましく旅行していましたが、ホテルに無料のレンタサイクルがあり、自転車でサンディエゴ観光を決行しました。
ウォーターフロント。奥にかかる橋、コロナド・ブリッジからコロナド島へ行くことが出来ます。
そこから東側へいくと、空母ミッドウェイがあります。ここの跡を利用して海軍航空博物館が作られています。
空港からダウンタウンへ行きすがらも目に入るこの空母ですが、とにかく大きいです。
多分船長。
ミッドウェイの横には巨大なキスをするカップルの立像が立っています。
この像の下でシーンを再現して写真撮影するカップルも多く、ちょっと熱海の貫一とお宮の像を思い出しました。
周りを探しても、この立像が何をモチーフにしたものかの説明は無かったので、帰国してから調べてみました。
すると、これは勝利のキス(Square kiss)として有名な一枚がモチーフとのこと。
1945年8月14日(アメリカ時間)で日本の無条件降伏の報を受け、歓喜に湧くタイムズスクエアで、堂々とキスをした男女がいたそうです。その写真が撮影され、『ライフ』誌に掲載され、一躍有名になったとか。
海辺にあるウォーターフロントパーク。子どもたちが気持ちよさそうに水遊びをしていました。
絶対にグウィン。
と、ここら辺で昼食にしようと思ったのですが、自転車のロックの番号を忘れるというまさかの凡ミスを犯します。止まれなくなってしまった私、仕方がないのでホテルまで戻ることにしました。
ホテルに戻るついでに、ペトコパーク側も回ることに。
ザ・ペトコパークという一枚が取れました。
ペトコパークの上の方にも足を伸ばしてみたのですが、3ブロックくらいすると浮浪者のキャンプロードのようなものもあり、ちょっと匂う感じがしました。
ペトコから海側は本当に陽気、高級ホテル立ち並ぶ雰囲気だったのですが、わずか数ブロックでこういう場所に行き当たるのかとちょっとカルチャーショックな瞬間でした。
気を取り直して再びウォーターフロントへ。
昼食はシーポート・ビレッジというショッピングモール的なところの、一番並んでいた屋台で買いました。
ナチョス?タコス?忘れましたけど、美味しいメキシコ料理でした。屋外の気持ちいい天気の中でいただけました。
アメリカのありがたいところはドリンクがデカいところです。あと料理の味が濃いので、コーラととにかく合います。合うというか、コーラやビールがないと料理がくどくて食べられません。
屋外で1人で食べていると、グラサンのおじさんに話しかけられました。アメリカ人って本当にフレンドリーなんだな…と感じ入っていましたが、最終的には宗教のリンクをエアドロされることになりました。こういう世知辛さは世界共通のようです。
その後、自転車を走らせて、リトル・イタリーというイタリアタウンに移動しました。
雰囲気があって良かったです。
とりあえずグーグルマップで一番評価が高かったジェラート屋にかちこみました。日本の31とかではフルーツフレーバーに逃げがちな僕なのですが、アメリカでジェラートというとフルーツの味は多くありません。結構バニラとかそういう感じの味が多いんですが、これを頼んでみるとまあ美味しかったです。
観光にも結構満足できたということで、試合へ。
この日はタティス・ジュニアを目の前で見たい!ということでライトスタンドの2列目に陣取りました。
しかし、なんということでしょう。
その日にセレクトされてきたベン・ギャメルがライトでスタメンで、肝心のタティスはその日センターでのスタメンだったのです。
外野のレギュラーに本格転向したのは今シーズンからというタティスですが、持ち前の才能を発揮してOAAでもDRSでも抜群の数字を残しています。
これだけライトを守れるのだから、編成やバリューを考えてもセンターをやったほうがいいよな~とは思っていたのですが、よりにもよってそれがこの日でした。
この日だけカメラのSDカードを忘れて撮影できなかったのですが、そのダメージが抑えられたのはまあ良かったです。
試合展開的には、この日はパドレス打線が大爆発。
ゲリー・サンチェスのこのグランドスラムはほとんど目の前に飛び込んできました。
ペトコのライトスタンドには、フィールドレベルのちょっとお高いシートが前に設けられているのですが、そこでHRボールをゲットしたおじさんが上のスタンドにいた小さい女の子にボールを渡していました。
その後も試合は終始、パドレスムードでペトコは上機嫌。
バックスクリーンにはビジターのチームでもこういったどうでもいい情報が載せられます。
大差で終盤を迎えたため、オリオールズはジェームズ・マキャンをマウンドに。
野手登板もよく考えれば、アメリカの野球でしか見られない光景です。
この日最大のハイライトはタティス・ジュニアによって作られました。
終盤の選手交代でライトを守ることになったタティス。タティスがライトに来るやいなや、ライトスタンドのファンが湧き上がります。
何もタティスを見にライトスタンドの席を取ったのは我々だけではないのです。
大差の試合ということもあってか、ファンは試合そっちのけで「フェルナンド!」「タティース!」と呼びかけます。
そしてタティスも投球間など時間を見つけては振り向いて手を振ってその歓声に応えるのです。
そして、大差の9回をクロージングしに出てきたルイス・ガルシアがぐだって、タイムがかけられると、タティスはライトポール際の子供のファンとじゃんけんを始めます。
じゃんけんに負けたタティスは、試合終了後に真っ先にその子供のところへ。そして子供に自分の帽子を手渡すと、鹿のような身のこなしで反転し、ライトスタンドを指さして駆けながら歓喜の輪へと混ざっていきました。
これね、こんなにカッコいい男が存在するのかと。
ライトスタンドは終始アイドルのコンサートかのような雰囲気だったのですが、タティスはまさに完璧で究極のアイドルといった感じでした。
サンディエゴの印象としては、若く熱量のあるファンが多いということが思い浮かびました。
家族連れの多いヒューストンから来たので、よりその印象は強かったです。
美男美女のカップルも観客に多かったことからも、メジャースポーツが軒並みサンディエゴを去ったこのタイミングでサンディエゴを盛り上げているパドレスと、若手スターが揃うパドレスのこの雰囲気が”イケてる”感じを生み出しているのかなと思いました。
3日目:ホームスチール
3日目はカイル・ギブソンからサインをいただけました。
ペトコのアウェイ側ベンチのホームよりの通路はスポットになっているようです。
この日はレフトスタンドのアッパーデッキから。
アッパーデッキとなると下の席よりも臨場感に欠けますが、景色は最高です。
あと、チケットが安くなっていくほど、ファンの熱量は上がっていきます。
熱量の高いサンディエゴでは特にそれを味わえました。
これは前日の試合で前の席の人が食べていたドッグ。匂いがすさまじく美味しそうだったので、絶対に食べようと思っていました。
見た目から推察できる通り、パンチのある味です。
この試合の最大のハイライトは、またしてもタティスが作ってくれました。
タティスのホームスチール、すごかったなぁ。
レフトスタンドのアッパーデッキは三塁ランナーの挙動がよく見えます。タティスがするすると動き始めてから、アッパーデッキの中で一番最初に叫びだしたと思います笑
この日もパドレスがリードして、ヘイダーが登板する展開に。
オートマチック。ヘイダーが完璧な投球でしめくくり、パドレスが勝利。
サンディエゴの美しい夜でした。
4日目:ダイヤモンドバックス襲来
最終日はサンセットクリフを見に行きました。
その名の通り、夕日が名所のスポットですが、パドレスの試合にデーゲームが無かったため、夕日のタイミングで拝めることはなかったです。
歩き回りましたが、綺麗でした。
昨日でオリオールズとの3連戦が終わり、ダイヤモンドバックスとの3連戦がスタート。
その初戦だけ見るチャンスに恵まれましたが、なんとダイヤモンドバックスの先発はこの方。
ダイヤモンドバックスの試合を1試合だけ見られるという中で、それがギャレンに当たるという超幸運でした。
試合前にはメリル・ケリーとアレク・トーマスからサインをいただけました。
特にトーマスはその日のスタメンセンターなのにファンサに熱心に応じていました。
メキシコ代表のトーマスですから、国境でファンが多かったのでしょうか。
練習の様子を見ていると、ダイヤモンドバックスはオリオールズに比べてかなり真面目です。
ほぼ全ての選手がフィールドに出はって練習していましたし、キャロルら外野手は自身の打撃練習のターンが終わったら、守備に就いて感触を確かめていました。
日本でのプレー経験もあるロブロ監督の色なのか、生真面目だな~と感じました。
とても紳士だったトーマス。守備はめちゃくちゃ上手かったです。
現地で見ていて感じるのは、やはりクローザーは特別な仕事なんだということ。
試合開始後には既にブルペン入りしている他のリリーバーとは違い、クローザーの出勤は試合の中盤。フェリックス・バティスタも、ポール・シーウォルドも、遅めの時間にブルペンに入ります。
そしてヘイダー。昨日完璧なセーブを挙げたヘイダーのブルペン入りを観客は大歓声で迎えます。
カッコいい。
この日の試合の”キーワード”もクローザーでした。
ギャレンの好投もあって、ダイヤモンドバックスが3対1のまま9回へ。
ダイヤモンドバックスの9回のマウンドには、今日昇格したばかりのジャスティン・マルティネスが上がります。
8回にも登板していたマルティネスを跨がせるのは、かなり勇気がいるというか無謀にも思えました。そしてマルティネスは案の定、先頭のタティスに四球を与えます。
前日までに勝ちパターンの登板が混んでいたとはいえ、ランナーが出てもダイヤモンドバックスのブルペンの電話がかかってくる様子はおろか、体を動かし始める投手もゼロ。
マルティネスが打たれたらもうそれまで、という豪胆な姿勢には呆気にとられ、マルティネスがボール球を投げるたびにブルペンを振り返って動きがないかをチェックしてしまいました。
しかし、続くソトが放った強烈な打球をセカンドのペルドモがスーパープレーで収めると、マルティネスはリズムを掴みます。
結局はマチャドとクロネンワースから圧巻の三振を奪い、マルティネスは見事な4アウトセーブを記録したのです。
このときは、これをきっかけにしてジャスティン・マルティネスがK-RODのようなシンデレラボーイとなって、アリゾナのブルペンの救世主となることを半ば確信していました。しかし、その後もマルティネスはマイナーに送り返されているようです。
4試合観戦して、パドレスは2勝2敗。これぞパドレスという大味な勝利もあり、そしてやはりこれもパドレスという終盤に詰めきれない負けもありました。
ただ、現地で見ていると、やはりこのチームがなぜシーズンの大半5割未満だったのかは不可解でした。タティス、ソト、マチャド、ボガーツ、キム、この打順を組もう!と最初に思いついた人は天才ですね。とてもワクワクしました。
サンディエゴの美しさ、サンディエゴのファンの熱気にも当てられて、サンディエゴを去るときにはすっかりパドレスファンになったような気分になりました。
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