Sin Tooyama Q&A(プロに必要なもの)
プロを目剤ているのですがセンスが無いと言われたのですがセンスを磨く方法ってありますか?とゆう質問がありました。
プロカメラマンを目指している皆さんへのアドバイス。職業カメラマンは大きく分けて2種類に分類されます。一つは、アーティストカメラマン、写真をアートとして売っている写真家の方々です。もう一つは、物撮りや写真館なども含む記念写真や肖像写真のポートレートで売っている私みたいな商業カメラマンです。
一つ目のアーティストカメラマンは絶対条件でセンスと想像力・技術を持っていなくては食べてはいけないでしょう。技術は努力と経験で力をつけて行くことができますが、センスや想像力は努力や経験では身に着けることは無理というものです。これらは、天に授かった贈り物ですから(笑)センスの乏しい凡人には、2つ目の職業カメラマンを目指すほうが食べていく可能性は高いと考えます。現に凡人の私が38年間食べて来れたわけですから(笑)センスや才能の乏しい私でも、バブルとゆうこともあり、写真のみで年間〇千万稼いだ時期もありました。私より才能がある同期でも細々としか稼げないカメラマンもいます。その差は何処だと思いますか?私は師に「写真業界で生きていくには、写真の才能ではなく”心配り”と”準備”を怠るな」と教わりました。それを徹底しただけです。1カット撮るのに搬入の半日前に入りありとあらゆるデータを撮りまくり、搬入後即撮影で1発OKが出る様に準備をしました。露出は、各絞りごとの照明照度・各フィルターのデータ取りを使う予定のないレンズも含めすべてのレンズごとのデータを集めまとめて、ここまでするかといわれるほどに、細かいデータ作りに時間をかけ、小一時間の撮影に半日準備に費やしていました。(半日分のスタジオ代は自腹です)準備の天才ともキチガイとも言われた事も有りました。準備は、才能やセンスが無くても誰でも出来ます。良い写真(リピートをもらえる仕事)とは何でしょう。良い写真は、センスやどう撮ったか、誰がどの機材で撮ったかではありません。シンプルに”丁寧に撮った写真”です。画面の隅々にまで心を配り、誰も気付かないようなところにまでチェックを入れ、「もうこれ以上どうしようもない」と言うところまで追い込んだ写真です。面白い写真とかすごい写真とかではなく、考えうるあらゆる要素を検討し尽くし、考えうるベストな対応で全てに当たった写真です。つまりカメラマンは、誰も気付かなかったとしても、自分だけは知っていて、どういう理由でここがそうなっているのか、なぜそっちではなくこっちを選択したのかを・・・。誰も気付かないような細部にも、徹底的に配慮するのです。もはや他人が気付くか気付かないかは関係ないのです。誰も気付かないような細部にまで目を留めて、心を配るればおのずと良い写真は出来上がります。これは、才能でもセンスがなくともできます、ただ丁寧かどうかだけです。
具体的に解説すると「あれ、髪の毛がちょっと目にかかってるな」
「ちょっと服にしわがよってるな」
「少し画面の右下がさびしいな」
「ちょっとハイライトが飛びすぎてるな」
「この光量だと絞りがちょっと足りないな」
「差し色を足したほうがいいな」
「要素が接近しすぎているな」
「背景との輝度差が大きいな」 などなど、正直きりがありませんがその時にできる範囲のことをやり尽くします。逆にそれをやらずに何をやるのですか、カメラマンの仕事はシャッターを切ることではありませんね。シャッターに至る全てを整え丁寧に細大漏らさず心を気配りすることです。それが「プロが写真を撮る」ということです。撮った後は、出来上がった写真をまた「観察」し、そしてまた「気付く」ことです。「あーここを見落としていた!」「あーなんでここ、ああしなかったんだろう」撮影後でもまたいろんな気付きを得ることが出来ます。そして次回の撮影に生かすの繰り返し。
才能がないと思っているプロを目指すカメラマンの皆さん、全く嘆く必要はありません。「丁寧に撮る」という強力な武器があります。「丁寧に」撮ることによって、「良い写真」は誰にでも撮れるのです。そして「丁寧」をとことん積み重ねることによって、すごい写真に到達することも可能です。誰にでも「すごい写真」に到達可能です、あとは「やるかやらないか」だけです。
本業のご質問でしたので、熱く語りすぎて生意気をお詫び致します。
では、素敵な写真ライフを
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