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ダンジョン飯2巻を読み終わった人の話

 なんか流行っているものには乗りたいぜ!
 というミーハーな気持ちをいつも抱いているので、アニメが始まり話題になる事が多いダンジョン飯を読み始めた所、内容がメチャクチャ濃くて感想がいっぱい出てきちゃう!

 そんな気持ちを抱きながら、ダンジョン飯・2巻の感想を書きます♥
 どうして1冊の本を読んだ感想がこんなに長いの!?
 わからない! でも何故か沢山書いてしまうのだ……。


チルチャックさん29歳と種族平均寿命の話


 ドワーフ族のセンシとエルフ族のマルシルからは「子供だね」って言われて、トールマン(人間)のライオスからは「チルチャックさん」と呼ばれるハーフフットのチルチャックさん。
 このやりとりから、ドワーフ族・エルフ族は長命種でハーフフット、トールマンは短命種なんだろうね。

 チルチャックの種族、ハーフフットはトルーキンの作り出した種族であるホビット族がモデルだと思うんだけど、原典のホビットは人間よりちょっとだけ長生きで、確か平均寿命が120歳くらい……限界寿命は知らないけど、120歳が平均という事は150歳くらい、長くても200歳が限度かな?
 だけどチルチャックが29歳だと知って、ライオスがちゃんと「年上だ!」と認識するあたり、チルチャックは種族としての寿命が短いんだろうな……。

 それにしても成熟しているとは思うので、人間(トールマン)の年齢だとすると40代くらいかな?

 トールマンの平均寿命が60歳だとして、限界寿命が100くらいだとしたら、ハーフフットは平均寿命が40~50? 限界寿命が80くらいかな?
 ホビットは人間より20歳くらい長命だけど、ハーフフットはトールマンより20歳くらい短命かな……?

 ファンタジー世界では、おむね15歳くらいが成人……一人で世に出してもいい年齢、って印象だけど、ハーフフット族はトールマンより寿命が短いみたいだから、トールマンが15歳で独り立ちしていたら、ハーフフットは12,3歳で独り立ちしているのかもしれないね。

 そして、チルチャックに「子供だねぇ」と言ったことでドワーフ・エルフは長命族だろうから……一般的なファンタジー設定と考えると、だいたい、ドワーフは平均寿命が200歳、限界寿命が500歳くらい。
 エルフは平均寿命が500歳、限界寿命は1000歳に達するのも珍しくなさそうかな。(作品によってはエルフは寿命ないし)

 全体の雰囲気や立ち振る舞いを見ていると

(おとな) チルチャック >(越えられない壁) > ライオス ≠ センシ > マルシル (こども)

 って印象だから、チルチャックさんだけ冒険者歴が長そうに思える。
 センシも1巻だとわりと壮年かな? と思っていたんだけど、2巻だと髭を洗うのを嫌がったり魔法を極端に忌避したり……と意固地というか子供っぽさが見えるから、ライオスとは別の意味でまだ世間知らずな側面が見えて、種族としてはまだ20代後半か30代前半くらい? って思っちゃったんだよね。

 それにしても、センシというドワーフ……本当にあれ……どういうことなんだ……?
 あまりにもドワーフという種族のイメージとは違う……。

 ドワーフは大体の場合、鉱山などを住処にしていて、独自の製鉄技術や鍛冶技術をもっていたり、非常に戦闘意欲が高かったり、独自の信仰(戦いの神とか、工芸の神とか、鍛冶の神なんかを崇めている)をもってたりする事が多いんだけど、センシは単独行動で仲間もつけず、迷宮に住んでいて、独学で農業したり料理してる……?
 いや、料理は火を使う仕事だからドワーフの料理人は珍しくないとしても、戦闘に対する意欲とかは全然ドワーフらしくない。

 魔法に対する忌避感は存在するけど、魔法を使う種族に対する偏見が少ないのも、ドワーフとしては珍しい気がする……もっと言うと根本的な価値観があの世界でも普通ではなさそうに見えるんだけど、一度もあのダンジョンから出た事がないってことは……ないよね?

 チルチャックはわりと「スタンダードなハーフフット」だと思うけど、センシは「お前みたいなドワーフ初めて見たよ」という思いが募るばかりだ
マルシルみたいなエルフもそこまで違和感はない。
 ライオスみたいなトールマンも……人間って少しくらい変だから、多少はね?


ライオス・パーティの謎


 1巻でライオスがファリンを失ってすぐ、仲間二人が去っていくのを見て「仲間を失ったのに助けにいかない……?」「わりとビジネスライクな付き合いの冒険者だな」と思ったけど、1巻のライオスがあまりにモンスターのことを好きすぎて空気読めてないので「みんなライオスのことそこはかとなく嫌だったんだな」「ファリンがいたから、ギリギリライオスの空気が読めない発言に耐えてたけど、妹がいないで地下までいっても実力はともかくライオスの行動についていけないと判断したんだな」って気持ちが沸いていたんだけど……。

 2巻でファリンが死霊に対して優しい素振りを見せたシーンや、兄の失言をカバーする様子を見ると、「本当にライオスは妹がフォローしてくれなければダメな人間だったんでは!?」「このPT、ファリンがもたせていたのでは!?」と確信しちゃったな……。

 ライオス、基本的には善人だろうし冒険者としての秩序は守っている、秩序/善タイプの人物だろうけど、善人である、ということは魔物に興味を抱き食べてみたいと思ってもシステム上は問題ない!
 だが一緒に旅する仲間としては、大問題!

 ライオス、早くファリンのこと助けてあげて♥

ゴーレム農業


 迷宮で土を作って作れるものといえば!
 そう、ゴーレムですね。
 ゴーレムは土ですから、農業も出来ます!

 ……な訳ねぇだろ!
 焼いた粘度とかで作るよ! 土がうっすら湿ってたら殴ったとき「ぺしょ」ってなっちゃうだろ!

 いやぁ、よく考えたな!?
 すごいね……すごい話ですよ。
 ゴーレムは確かに土が基調だけど、表面は焼いたりして強度を上げている方が普通なので……それを畑にしよう! って考えるのは本当にすごい、作者もセンシも、さてはT○KIOだな……。

T○KIO「キャベツ作ろうぜ! まず畑からな!」

 しかしセンシ、料理知識だけではなく農業知識まで豊富でますます不思議だ……この人、鉱山出身じゃないのは確実だよな。
 当たり前のように糞尿を肥料にしてるし、当たり前のように連作をしない。
 農業の基本を心得ている……そして、収穫できるまで育てている。
 連作をしない、というのを心得ているので、少なくても2,3年、ヘタすれば10年以上、ダンジョンでモンスター食って暮らしているのでは……?
 植えている野菜が比較的に収穫が早いものにしても、センシのダンジョン暮らし歴、気になっちゃう……。
 これって恋かもしれないね♥

ファリンはひょっとしたら女神かもしれない


 ファリンはライオスの妹だからトールマンの女性。
 職業は回復、補助、アンデッド浄化中心だから僧侶、wizで言うならPriestの立場かな?
 この世界で僧侶が必ず信仰心を必用とするのかは、ちょっと判別できないけど、攻撃も回復も少しだけ出来るマルシル(wizでいうところの司教・Bishop)が「信仰心」という言葉を頻繁に口にしているから、ファリンも恐らく正しく僧侶で、何かしらの教義に使えてる信仰心をもつ身なんだろうね。

 ※回復に必ず信仰心が必用かはわからない、とうっすら思ってしまったのは、たぶんライオスはwizでいう君主(Lord)で、戦士をかねて多少回復魔法も使えるんだろうけど、彼に信仰心……信仰……? ってなるんで……。
 ライオス何を信仰してるの?
 大自然?

 もしファリンが正規の僧侶であれば、大体の僧侶にとって、アンデッドは忌むべき存在。
 魂とか、そういうものは正しく神の元に行くのが普通であって、留まっているのはおかしいから滅する……みたいな思考が基本なんだけど、ファリンはアンデッドに対して慈悲深いような所作が見えるので……。

 以前、ダンジョン飯は蘇りの話……という意見を見た事があるけど、なるほど……と思うと同時に、ファリンって存在が元々けっこう「アンデッドの領域にいる存在」だったような気持ちになるんだよな。

 言うなれば、ファリンの立場はヒュプノス(眠り)のようなもので……眠りは一時、死ぬようなもの……死を理解している、眠れる領域をもつ人間。
 常に眠りの領域に心があるから、死者に対しても寄り添い苦痛なく祓うようにつとめる、霊に慈悲がある存在で、通常の僧侶とは一線を画す存在のような気がする……。

 そしてそんなファリンが今、死にかけている……。

 総合すると、ファリンはこのまま眠り(ヒュプノス)から覚めても人間側になる事ができず、闇(ニュクス)へなっていく人なんじゃないかな?
 闇(ニュクス)はギリシャ神話で多く、冥府と死にまつわるものを産んできたから……おそらく彼女は元通りの人間になれないか、元通りの人間になったとしても、死や闇を心に抱いた存在になるんじゃないか……?

 ファリンは冥府創造の女神としての役割を担って生まれている存在なのでは……と思うし、これから語られるのはファリンの蘇りの話だけではなく黄泉造り、冥府造りの話になるのでは……?

 そう思うと、兄のライオスがファリンを助けに行く、というのはいかにも神話的な展開なんだよな。
 死んだ妹であり妻を取り戻しにいったら、妻がすでに黄泉の存在になっていたとかは、古事記にもそう書いてあるし。(本当に書いてあるパターン)

 古事記の兄は妹と別たれて、生者の国と死者の国、それぞれの創造者になったけど、ライオスは生者の国にはとどまれないだろうから、ファリン側の王、つまり冥府の王になるんじゃないかな。
 そう思うと、ライオスとファリンが行き着くのは生と死が交わる、現世に存在する幽世の国であり、そこは生と死がひどく曖昧にある場所なんでは……なんて漠然と、思ってます。
 この先のこと全然知らんけど。

ケルピーは背中に乗らず食べよう


 実は「ダンジョン飯、ひょっとして冥府作ろうとしてる!?」と思ったのは、このケルピー回を見た時。
 ここには「渡らないといけない水辺があるぞ」って出てるけど、それは冥府でいうステュクス川! 俺らでいう三途の川では!?

 現在ここは魔法で渡るようになっているから限られた存在しか行けないので隔たれた土地ではあるんだけどいずれ、ここに「渡し守」が現れるようになったら……それが銀貨で渡し守をしていたら、もう完璧なので川らしいもの、渡し守は銀貨でお願いします!

 この先の話にも川が出るかもしれないって?
 心配すんな、ギリシャ神話の冥府はステュクス川をわたっても、すげぇいっぱい、呆れるほど川があるからな!

ヨモツヘグイは成されている


 総合して、ダンジョン飯2巻では「あれ、これひょっとして黄泉の話してる?」と思わせる描写が多いとおもい……ました!

 最初は、センシがダンジョン内の飯を食ったらダンジョンで生きる事にした、という話をして「ん……それ、ヨモツヘグイしたからもう黄泉の人間ってこと?」ってのを感じて……。

 ファリンの霊へのアタックが殆ど「黄泉の女王」に相応しい行動で、ギリシャ神話でいう眠りを与えるもの、あるいは夜の闇にある安寧の存在のように思え……。

 ケルピーで川が出て「これ三途の川だぁ……」ってなったので……ここは黄泉! あるいは冥府ですね!

 この世界には、蘇生魔法もあるし神もいるっぽいんだけど、蘇生魔法がある、神もいる、脱出魔法もある、そういう世界で、生と死が交わる場所があるなんて……。
 まさか、蘇生魔法がある世界でこんなに「冥府」や「黄泉」を感じるとは思っていませんでした!
 どういうことだってばよ……!?

 なーんてイロイロ混乱したり困惑したり驚いたりしながらたっぷり楽しませていただきました。
 3巻も楽しみです♥

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