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人生における投資とは?

「投資で未来を変えていく」というビジョンを持つ104コンソーシアム。過去の記事では、国際社会経済研究所理事長の藤沢久美さんForbes JAPAN編集長の藤吉雅春さんによる伝説の授業を紹介してきた。

「概念は分かった。でも何に投資すれば良いのか分からない」という方もいると思う。104コンソーシアムオープンイベントにて、現在活躍中のアイドル・起業家・騎手が語ってくれた「お金も、お金以外も過去に何に投資してきたか」や投資を決断した背景は、なかなか投資に踏み出せない方たちの背中を押してくれるエッセンスが散りばめられていた。そこで、オープンイベントレポートの最終回である今回、ご紹介する。

1.AKB48の武藤十夢さん

AKB48として約11年半に渡り活動する、武藤さん。武藤さんはスキルに投資してきたのだと言う。

大学院で経済学の修士号を取ったりもしている。アイドル活動をしながら、すごい。

どうしてスキルを選んだのか?
AKB48は人数が多く、歌、演技、ダンスなどそれぞれが強みを持っている。当時の武藤さんは「私には何ができるだろう?」と考えたところ、「私って何もないな」という結論に行きついた。本当に自分に自信がなかったのだという。

武藤さんは大学を出ていたこともあり、「勉強系で攻めよう」と決意。「気象予報士だったら難しいからなかなか取れないし、芸能のお仕事にも活かせそう」と考え、気象予報士の資格取得に挑戦し始めた。取得後は Abema でお天気キャスターとして番組のコーナーを担当したり、クイズ番組にも呼んでもらえるようになったと言う。

5年かけて、8回目の受験で合格!

大学院も修了して、再出発をしようとしていたところ、コロナが流行。仕事がほぼなくなってしまったのだ。暇になったものの、「勉強する習慣がついているうちに何か身につけておきたい」と発想を転換。ファイナンシャルプランナーに挑戦することを決意した。武藤さんは経済学部を出ており、投資の仕事をしていたこともあり、「自分のためにもなるし、お金についての知識を身につけたい」と思い、1年かけて取得。今回の104コンソーシアムしかり、金融関係の仕事が増えたのだという。続いて防災士も取得している。

スキルに投資した結果、得たものは?
天気、お金、防災と一見結びつかないように思えるスキルたち。しかしSDGsという軸で繋がっていることから、SDGs関連での仕事の幅も広がったという。一見バラバラに見えるものでも、掛け算で仕事の幅は広がっていくのだ。

「何より、得られたものは自信」と武藤さんは語る。

そして、自信。気象予報士を取るまでは自分に自信がなく、「この資格が取れなきゃ自分に価値はない」とまで思っていたらしい。しかし資格を取ったことで、頑張れば達成できるんだと自信に繋がったのだと言う。

「この先、資格に限らず困難が待ち受けていたとしても、自分だったら大丈夫かなって。漢字の通り『自分を信じる』ことができるようになりました」と語る武藤さん。

2.株式会社ナハトの代表、安達友基さん

29歳にして株式会社ナハトの代表を務める安達さん。 ナハトは渋谷と沖縄にオフィスを構える、インフルエンサーマーケティングとデジタルマーケティングを行う会社だ。

平均年齢26歳でこの実績!
安達さんの略歴

しかし安達さんは「僕自身、そんなに順風満帆な人生じゃなかったんです」と語る。

あまり学業に集中していなかった大学時代に「このままじゃ就活で喋ることがないな」と思ってNYへ留学。しかし「そもそも就活が得意じゃないな」と気付き、在学中にバーテンダーをしていた。偶然そこで「会社を一緒にやらないか?」と声をかけてもらえたのだという。その会社はなくなったものの、今へ繋がったらしい。

安達さんが投資しているものとは?

詐欺被害ってかなりのパワーワード…

まず、失敗。少し話は戻り、在学中に誘われて事業を起こした頃。一緒に三年間やってきた社長が、なんと億を越えるお金を持って逃げてしまったのだという。社長は音信不通にもなってしまい、当時の安達さんはもちろん落ち込んだ。しかしそこから色々と学び、自分で事業を起こすに至ったのだという。

「今、モヤモヤしてる事ってあるじゃないですか。やった方がいいのかな?って。それだったら、とりあえずやっちゃう。で、ダメだったらダメだって分かるし、新しい道が拓けてくる。チャレンジする癖もつくし、経験値も貯まる。」

次に、仲間。個人事業主の頃は、喜ぶ時も一人だった。しかし仲間と働くと、みんなで喜べる。だから仲間に投資するように心がけているのだそうだ。

周りの人を敵だと思いがちだが、よくよく考えたら皆が敵なわけじゃない。仲間だと思って接すれば、自然と個人投資より周辺投資の動き方が身についてくる。

「周辺投資」、心に残る言葉

20代で何かをやり遂げている人はほとんどいない。失うものは時間くらい。安達さんの好きな言葉は「負けてあいこ」。確かに失敗や人を信じる恐れを払拭させてくれる、良い言葉だ。

3.JRA所属騎手、ミルコ・デムーロさん

最後はイタリア出身の騎手であるミルコ・デムーロさん。競馬好きで知らない人はいないであろう、有名なジョッキーである。

かっこいい写真!

一見スマートに見える彼だが、門出から嵐の予感はあった。両親から騎手になることは反対されていたのだという。現在のミルコさんと同じく騎手であった父親は、その危険性をよく理解しており、「危ないから絶対にやめとけ」と忠告していた。しかし幼い時から馬が大好きだったミルコさんは、家を出て厩舎で住み込みを開始。そこでキャリアをスタートさせている。

晴れて騎手になり、イタリアで活躍していたミルコさん。かねてからの「世界で一番のジョッキー」になるという夢を叶えるために、イタリアでの名声を捨て、「海外遠征への挑戦」という投資をスタートしたのだ。

アメリカのハリウッド・パーク競馬場

まずは、アメリカへ。「顔を売りたかったし、国によって馬の乗り方も全然違う。だから世界一になるにはアメリカに行くしかない」と決意した。また、競馬は若い人たちがどんどんデビューしてくる世界。彼らと戦わなくてはならないという現実も、海外遠征という投資を決断した判断材料のうちのひとつだった。

そこで日本人の社長に出会い、「日本でも勉強したい」という思いから日本へ。「日本の競馬って進んでます。世界一ですよ」 と笑顔を見せた。

イタリアの競馬では、給料が払われるのが1年後である一方で税金は半年後に払わなくてはならない。他国ではそんなことはないので、給料を得られる時期が分散しているという意味でも海外での挑戦は、「分散投資」をしていたと言えるかもしれない。

20代の当時は「最悪ダメだったらイタリアに帰れば良いか」というリスク管理をしていたが、ミルコさんは今も海外生活を続けている。「仮に日本が駄目になってもアメリカや香港へ行ったり、他の国でも顔が知れているから、やっていける自信はある」と力強く語る。

ドバイでのレース

「海外遠征への挑戦」という投資をした結果、日本のダービーで優勝し、チャンスが広がる人生となっていったと言えよう。日本の他にもアメリカ・フランス・イギリス・ドイツ・トルコ・ハンガリー・香港・オーストラリア・スイスなどの国でもレースに出ている。
「20代のうちはお金を貯めこむ必要はない。やりたいことをどんどんやればいい」と、背中を押してくれるような言葉を、笑顔とともに投げかけてくれた。

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