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Forbes JAPAN編集長が語る、ビリオネアの「マジか!?」な考え方

「投資で未来を変えていく」というビジョンを持つ104コンソーシアム。前回の記事では国際社会経済研究所の理事長、藤沢久美さんの伝説の授業を紹介した。

今回ご紹介するのは、Forbes JAPAN編集長の藤吉雅春さんによる授業。こちらも藤沢さんと同様、「15分なのに投資がすごく分かって面白い」と好評だったものだ。お金だけでなく、人生の思い込みをガラッと変えてくれるものだった。

おそらくビジネスパーソンで知らない人はいない雑誌、Forbes JAPAN。

ビジネスや生きるヒントが満載の授業を、今回も紹介していく。

1.そもそも投資家って、どんな人がいるの?

投資思考と言われても、ピンとこないかもしれない。例えば下の写真をご覧いただきたい。ヒップホップの帝王であるJay-z、Forbesグループの会長であるスティーブ・フォーブス、そして投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェット。フォーブスがJay-zとバフェットを引き合わせ、インタビューを行っているものだ。

ニューヨークの貧困地域で育ったJay-zは、小学生のときに先生が「遠足」と称して地域外にある自宅に連れて行ってくれるなど、白人の家庭を見せてくれた。つまり、「新しい経験」をすることの面白さを教えてくれたのだ。彼が音楽家だけでなく、事業家、投資家として人生の幅を広げていく原点が未知なる経験へのチャレンジ。投資とはつまり新しい経験をすることであり、それが未来をつくること。Forbes JAPANが掲載しているのも、経営者やリーダーなど、未来に投資をする人。投機や貯蓄ではなく、未来への投資をする人を掲載している。

投資する人、つまり投資思考を持つ人間の話にはストーリーがある。「これ面白い話だな」と思って、広めたくなるものが多いのだという。だからこそ投資思考を持つ彼らは、メディアで紹介する価値があるのだ。

改めて見るとすごい面子

投資思考が大事なのは分かった。しかし、投機思考や貯蓄思考との違いは何だろう? お金を貯めることができるなら、一緒なのでは? と、思う人もいるだろう。次から詳しく解説していく。

2.貯蓄思考、投機思考、投資思考。どれも似てるんじゃないの?

違います。わかりやすい例で言うと、地震やパンデミックなどの天変地異が起きた時、それぞれは以下のような行動をとる傾向にある。自分がどのタイプか考えてみてほしい。いずれかに当てはまるのではないだろうか。

・貯蓄さん
トイレットペーパーを買いだめに走る。不安になると貯めがちな性格。貯めると不安が一時的に消えるが、「またトイレットペーパーがなくなったらどうしよう?」と、新たな不安が起こる。不安のループには終わりがない。お金のループも一緒。

・投機さん
突撃をして一気に攻めなければならないと考える。時間軸は短い。D-Day思考とも呼べる。D-Dayとは、第二次世界大戦のときにナチスに占領されていたフランスにノルマンディーから上陸した日のこと。だた、突入はすごいけど、上陸後のことを考えていなければ、単なる「突撃と上陸」で終わる。

・投資思考
時間軸が長期であることが特徴。ゴールはずっと先にあると考えており、成功や失敗という概念が無い。失敗は、成功への学びと思えば、失敗ではないと捉えている。ゴールに着いた時に全く違う景色が見えることも、既に認識済み。

一見、投資思考が良さそうに見える。では投資思考の人間は、どのような哲学を持っているのだろうか? 何か共通したものを持っていれば、それを真似することで、お金持ちになれる近道を行けそうだ。実際、そういう類のビジネス書も多い。

3.お金持ちって、同じ哲学を持ってるんじゃないの?

違います。伝説の投資家が言っていることは、実は全員バラバラ。それぞれ持っている哲学は全く異なっている。あえて共通点を言うとすれば、自分自身が納得しているか、を最も重視していることだ。彼らが持つ哲学には、一貫性がある。ぶれることなく、筋を通している。

情報が溢れる世の中で、検索ばかりして情報に振り回されるとアンコントローラブルになる。このアンコントローラブルな人生こそ、ストレスに満ちた人生なのだ。

そんな時はバフェットの言葉を思い出してほしい。「必要なのは精神的に安定していることです。何かを決断する時には、他の人が言っていることなど気にしないことです。(中略)株の動きに一喜一憂してはいけません。私はたとえ株価が下がったとしても、その理由をちゃんと分かっていれば、買い続けていました」。

ForbesJAPANの前編集長である高野さんも「情報の90%はノイズである」と語る。ノイズに惑わされてはいけない。

あなたは哲学を持っていますか?

4.どうせ生まれた時から環境が恵まれてたんでしょ?

違います。Jay-zを例に見てみよう。彼は非常に貧しい地域の出身だった。かつて彼には「言葉を愛する」ことを教えてくれた先生がいた。その先生は前述したように遠足という嘘の名目で、彼を自分の家に連れて行ってくれた。彼は初めて冷蔵庫の中に製氷機が入っているのを見て、欲しくて仕方なかったと言う。だから彼は音楽をビジネスとしてとらえて、とにかく努力をした。「彼女との出会いが僕を変えた」と彼は振り返っている。

「製氷機が欲しい」ことが重要なのではない。生きるヒントが、そこらじゅうにあり、それに気付く感受性があるか? 要はそれ次第なのだ。 学びを続けることで、自分の器の外に出ることができる。世界を拡張させることが出来るようになるのだ。彼が貧困からヒップホップの帝王にのし上がったように。

Jay-zが育ったブルックリンの地域

5.自分は貯蓄さんor投機さんなので成功できませんか?

違います。貯蓄さんや投機さんが悪いと言っているわけではない。それぞれの性格や時間軸は異なってくる。ただバランスが大事なので、極端に走らないほうが良いというメッセージだ。

お金は体験の機会を与えてくれるかけがえのないものであると同時に、投資思考を鍛えさせてくれるものでもある。日々の全ての消費を投資だと思えば良いのだ。

ZOZOTOWNで有名な前澤さんは「お金をどんどん回して、世の中に還元するのは自分の使命でもあると思うんです」と語る。「僕は手元にあるお金をすべて使い切ることに全く不安はありません。小金持ちには自分の財産を守ろうとする人が多いんですよ」と。

もっと些細なこと、例えばニンジンを一つ買うにしても、思考のパターンを変えることができる。ニンジンが店頭に並ぶまでのプロセスを思えば、「本当にこのニンジンでいいのか?」と考えるきっかけになるからだ。大切なことは自分の視点と哲学を持って選択をするということなのだ。

時間軸を長く持ち、人生をかけた旅として捉える投資思考。それを頭に置いて、素晴らしい人生を送ってほしい。

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