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ハマると怖い「内集団バイアス」

こんにちは!バリスタ店長のトシです!


今回は内集団バイアスについてです。

みなさん内集団バイアスってご存知でしょうか?

内集団バイアスとは、自分が所属している集団を過剰評価してしまうバイアスです。

実際よりも自分たちの集団の能力を高く見積もったり、自分たちの集団の能力の低さに言い訳をして正当化しようとして、自分たちのチームをえこ贔屓しつつ、甘やかすというものです

「隣の芝は青く見える」の逆バージョンみたいな感じですね。「うちの芝が1番青いぜ〜!」みたいな。

内集団バイアスをは「村意識」のような感じで、自分の集団の外の人間を他所者扱いして差別しようとしてしまいます。

この内集団バイアスにかかってしまうと、非常に内向的になってしまい、余計な負の感情が湧き上がったり、学びの機会を失ってしまったり、さまざまな損失を生むことになります。

しかもこのバイアスにもたくさんの人が引っかかっています。もちろん僕も。

何かしらの集団に属すると、その所属している集団のリテラシーにもよりますが、かなりの確率で引っかかります。

今回は、どういうシチュエーションの時に内集団バイアスにかかってしまうのか?そして内集団バイアスは何故起きるのか?についてお話ししていきます。



集団バイアスのシチュエーションあれこれ


シチュエーション①【スポーツチームのファン同士の対立】

シチュエーションの一つ目は、スポーツチームのファン同士の対立です。

熱狂的なファン同士のトラブルなど、特に海外で聞いたことがあると思いますが、熱狂的なファンほど「自分たちが応援しているチームが1番だ!」という姿勢を崩しません。

自分が応援しているチーム=自分たちが所属しているチームということになり、内集団バイアスにハマってしまいます。



シチュエーション②【地元愛】

地元愛なども内集団バイアスによるものが大きいです。

たまに自虐的な見方をする県民が多い県もありますが、「自分の属する地域が1番良い所だ!」と、地元びいきをする人がいます。

そういう人たちは内集団バイアスにハマってしまっています。

これこそ村意識のような感じですね。村八分にされちゃいそう。


シチュエーション③【血液型で内集団バイアス】

僕は血液型O型なんですが、だいたいいつもA型の人たちにやいのやいの言われます。

片付け方が少しでも雑だったり、ちょっと作業場を散らかしていると、何かにつけて、「これだからO型は!」という感じで責め立てられます。

そして「A型はそんなことないのにね〜」で締め括る。

血液型の性格診断にエビデンスなんてないのに、血液型から生じる内集団バイアスはどこか陰湿な気がします。



なぜ内集団バイアスが起きるのか?


それでは、なぜ内集団バイアスが起こってしまうんでしょうか?

要因はいくつかあります。

まず一つ目は、自尊心を向上させたいためです。

社会的アイデンティティ理論からみた内集団バイアスに対しての考察を見ると、自尊心を向上させたいという動機が内集団バイアスを形成しているとあります。

自分自身を肯定したいという欲求を私たちは常に持っているのですが、その欲求を、自分が所属しているグループで満たそうとします。

「自分が所属しているグループの価値が上がれば、その価値が高いグループに所属している自分の価値も高い」という構図になります。

自分が所属しているグループを肯定的に見て、他のグループを否定的に見るようになります。


二つ目は、オキシトシンが内集団バイアスを強化しているからです。

Carsten de Dreuによるメタ分析では、オキシトシンが内集団バイアスを強化すると言われています。

オキシトシンといえば、カップルや親子などの絆を感じた時に脳内に分泌される幸せホルモンの一種です。

セロトニンやドーパミンと並んで、人生における幸福感を高めるために欠かせないホルモンでもあります。

なぜこのホルモンが内集団バイアスを強化することになるかというと、オキシトシンによって自分が所属する場所にいる人たちへの愛着が強化されてしまい、自分たちのグループを守るため、また優位性を保つために、それ以外のグループに対して、排斥や否定を行うからだと言われています。



私たちは内集団バイアスによって、学びの機会を失っているかもしれない


以上のように、様々な形の内集団バイアスがあり、私たちはいとも簡単に引っかかってしまいます。

しかし生物学的に見れば、内集団バイアスにかかってしまうのもしょうがない部分もあり…人という生物である以上、種を守り生き抜くためには、避けることができない反応なのです。

しかし、確たる根拠もないのに人を否定的な目で見ることは、あまり良い話でもありません。外部の人たちは私たちよりも劣っているという、差別的な思想を持ってしまうかもしれません。

この思想は、イジメにも通じるところがあります。

それに、相手を否定的に見てしまえば、相手はこちらを否定的に見てきます。

そんなお互いにとってストレスしか生まないような環境は、何も生産性がありません。

しかし、内集団バイアスを回避して、お互いポジティブなコミュニケーションを取ることができれば、学びある環境を作ることができます。

相手の価値観や考えを知って、理解することができれば、相手とも仲良くなれるかもしれませんし、自分が知り得ない、相手の知識を知ることができるかもしれません。

そして、異なる知識が混ざり合い、今までにない発見やアイデアが生まれるかもしれません。

そこには学びがあり、成長があります。


バイアスにかかると自分ではなかなか気づけないものですが、ぜひ自分を客観的に見て、バイアスにかかっている自分に気づき、内集団バイアスから脱却していきましょう。


それでは今回はこの辺で。


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