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▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼     (20)チガイがわかる・おもしろ日本語入門   ▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△

    第三章 日本語、コノ表現 & その極意!!

          その4、 動詞「ある」の特異性
                  (exsist)


          souy

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元NHKアナ、民放キャスター、はたまた講演講師や大学
講師などを遍歴して、その後突然スペインのバルセロナに
移住して、早や18年。
著書(最新刊)『熟年夫婦の行き当たりばったりスペイン
移住記』(地球の歩き方、ダイヤモンドビッグ社)
他に『NHKはもういらない』(三一書房)
  『勉強っていやいやするもの?』(大日本図書)
  「脳みそのほんとうの使い方」(日科技連出版)など
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さてここで、日本語の根幹にかかわる動詞についてお話しておかなければなりません。動詞についてはすでにその基本的な働きと変化形をご説明しましたが、それに加えてどうしても解明しておかなければならないのが、この“ある”と“ない”です。

「存在する」(英語で“exist”)は、すべての言語でとても重要な言葉ですが、特に
仏教思想の色濃い日本語では、動詞“ある”、またそれ以上にその否定形“ない”は、
他のどんな動詞よりも注目すべき特殊な意味を持っていると思われます。


           “所有する”ではなく、“存在する”

例えば日本語で「私は熱がある」は、英語では「I have a fever」スペイン語では
「Tengo fiebre」。つまり「私は熱を所有する(持っている)」と表現されます。


しかし日本語では、基本的にその人がその物のまがいもない所有者である場合だけ、「持っている」を使います。もちろんこの場合、私は熱の所有者ではありませんので「持っている」ではなく「ある」、つまり「熱が存在する」と言い表すわけです。

したがって「You have big car」を「あなたは大きな車を持っている」とは言っても、「I have a headache」や「I have two sons」などの文章に、「持っている」という動詞は使用しないのです。 なかには我が子を所有してると勘違いする人もいますケド!(笑)


おそらくそこには西洋と東洋の基本的なものの見方の違いがあり、人間中心の世界観を持つ西欧諸国では「すべての事物を所有する」と考え、一方大自然を中心とした世界観を持つ東洋では「あらゆるものは存在する」と思考したからなのでしょう。

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       言語を学ぶことは、まさにその文化を知ることですね。  


さて、動詞“ある”の変化形をおさらいしてみましょう。前にもお話ししたように、
これは“○○る”型動詞の中でも規則的活用動詞なので、とてもカンタンです。

                        ?
   ーーーーーーーーー〈肯定形〉ーーーーーー〈否定形〉ーーーーーーーー

   〈インフォーマル〉

       現在形   ある                         あらない ??

       過去形   あった         あらなかった ??
 

   〈フォーマル〉

       現在形   あります       ???

       過去形   ありました      ???

   ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


そう、“ある”のインフォーマルは、現在形が「ある」、過去形が「あった」。そしてフォーマルは、現在形が「あります」、過去形が「ありました」ですね。

          では、その否定形を見てみましょう! 

おや、何だかちょっと変です。 「ある」の否定形は「あらない」? 「あった」の否定形は「あらなかった」???  本来、規則的活用動詞ならそうなるはずですが、そんな言葉は聞いたことがありません。 一体、どういうことなのでしょう?


察しのいい人なら、もう気がついているかもしれませんが、動詞「ある」には否定形はなく、肯定形だけなのです。 では否定したい時どうすればいいかというと、全く別の動詞を使います。 そうです、それは「ない」という動詞です。 また逆に言えば動詞「ない」の否定形は、動詞「ある」でもあるのです。


    つまり異なる二つの動詞が、お互いの否定形になる関係にあるのです。
                              


          では、もう一度正しく整理してみましょう!

      動詞「ある」    ←(否定)→    動詞「ない」

   ーーーーー〈肯定形〉ーーーー     ーーーー〈肯定形〉ーーーー

   〈インフォーマル〉          〈インフォーマル〉

       現在形  ある                              ない

       過去形  あった           なかった
 

   〈フォーマル〉            〈フォーマル〉

       現在形  あります          ありません

       過去形  ありました         ありませんでした

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        さあ、じっくりと眺めて推理してみてください!

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きっとこの表の中にはさまざまなフシギが隠されているはずです。これはあなたへの宿題とします。  一体ここには、どんな謎が潜んでいるのでしょうか?


          ではまた、次回をお楽しみに!!


                 
ーーー 次回は第21回 第三章 日本語、コノ表現 & その極意!!
  

             その5、動詞“ない”の世界観と役割  
                 (“not exist”)      


 を、お届けするつもりです。

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◎ 『脳みそのほんとうの使い方(How to use your brain ?)《ビギナーズ編》』
(日科技連出版社)〈こちらは一応ビジネスマン向けですが、やさしいです)〉
また姉妹編《マスターズ編》も出てます。書店になかったらお取り寄せください。

◎ 『勉強っていやいやするもの?』(大日本図書)
   〈中高校生向けですが、‘哲学’についても、やさしく解説しています〉


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