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眠れない夜のエッセイ

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眠れない夜に読むエッセイをまとめました。
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#猫

いつか天になる - あるいは猫との別れ

いつか天になる - あるいは猫との別れ

友人と「猫は死ぬと何になって何処へゆくのかな」という話をした。

子猫を庭に埋めた人は「子猫は風になって駆けまわり、庭の草花を揺らす」と言った。

その人はきっと庭の草が風で揺れるたびに、その子猫のことを思い出しては泣くのだろう。小さな命を失った人は長い時間、自分を責め続ける。
しかし同時にその人は、子猫は風になってそばを駆けまわっていることも知っている。風はその人を慰めるだろう。
短く終わった命

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飼い猫ときっといつかまた

飼い猫ときっといつかまた

ずっとずっと昔に飼っていた猫が夢に出てきて、「スーさんに会ったよ」と教えてくれた。スーさんもずっとずっと昔に飼っていた熱帯魚。そうか、会えたか。

生き物はいずれその命を終えて、命を構成していた原子はこの星のどこかへ散り散りになってしまうのだけど、きっといつかまた会えると知っている気がする。

夢で会いにきてくれた飼い猫は、スーさんと話した会話をそのまま繰り返してくれて、あとは空が揺れているねとか

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