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やっぱりご褒美

「 こんな私にご褒美なんて 」


と、ついつい卑屈になってしまうことがある。
はい。
病院で長時間過ごすと、すっかり、ひねくれモードです。


そんな大層に思わずに、パンぐらい、普通に買ったらいいやんとも
思うけど、
やっぱり
「ご褒美」って響きは、ちょっと魅力的で、
「ご褒美」として買うのは、特別感が大ありで。

そして、他の方のnoteの記事を読んでいたら、私もご褒美もらったっていいんちゃうかとも思えて。

と、ごちゃごちゃ言い訳をしながら、今回も通院治療の帰りに、気になるパン屋さんをねらってみた。

まだ、一度しか言ってことがないけれど、山食パンとバナナブレッドが、もう美味しいのなんの。

ずっと噛んでいたい。
ずっと、味わっていたい。

口の中から、なくならんとって~。

そんなパンに出会わせてくれたパン屋さん。

今回の病院滞在時間は、5時間。
朝の7時半からの滞在やから、お昼ご飯に好きなパンを買いに行くぐらいいいよね。(まで、ごちゃごちゃ言うてる。)

病院から、歩いて10分ほどのところにある、鳥居のすぐそばに構えられたお店。

お店の洋風の建物と、和風の鳥居とが、なぜかしっくりくる不思議。
静かな住宅街の中に、ポツンとあるのも、これまたよき。

その白っぽい建物を目指して、てくてくと歩いていく。
もう少し。
ちょっとの坂道が、治療後にはこたえるけど、いやはや、そんなことには負けていられない。

到着到着。
まだパンは残っているかなあ。
バナナブレッドは必須ということで、他には何を買おうかなあ。
インスタで見かけたサンドイッチも、美味しそうだったなあ。
ライ麦パンもいっとく?
どうしようかなあ。

と、窓から店内をのぞき込む。

が、見えない。
店内が見えない。

だって、白いカーテンが、かかってる。

そして、貼り紙。


「 店主体調不良のために、臨時休業とします。 」


そりゃあ、体調不良やったら、しょうがないわ。
美味しいパンをまた作ってもらうためには、しっかりと身体を休めてもらわんとな。

でも、ちょっと気合を入れすぎてしまった私。
パンを買うだけやのに、もっと、気楽にできへんもんかなあ。

やっぱり、「ご褒美」って言葉が、ワクワク感を100倍くらいに引き上げるんかもしれんなあ。


赤毛のアンが、

「期待していても、思い通りの結果にならないこともあるかもしれないけど、でも、待ち焦がれていた時の愉しみは、ずっと残るわ。リンドのおばさんは、『何も期待しない人々は幸いなり。決して失望することなきがゆえに。』っ言うけど、何も期待しないよりは、期待して失望する方が、ずっといいわ。」

赤毛のアン L.M.モンゴメリ 松岡侑子訳


と言ってたけど、まさしくそれ。
その本を始めて読んだ時には、私やったら、そんなしんどい人生じゃなく、揺れの少ない人生を選ぶなあと思ったのを思い出す。
(リンドのおばさんと同じなのは、ちょっと嫌やったけど)

小学校2年生。
冷めとったわ。

でも、そんな冷めた小学2年生も、気がついたら、パン一つで、グラグラ心揺らす大人になってる。

わからんもんやなあ。


バナナブレッドは、また次回のお楽しみに。


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