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静かな情熱をもつ塾講師

塾講師は推定40歳。髭あり、髪薄め、ちょいポチャ。
大通りの交差点に面した少し古びたビルの5階で
塾講師は英語を教えていた。

「忘れられない先生」のタグを見て思い出したのは
大学受験のときお世話になった塾講師だ。

その塾には、講師がひとりしかおらず、
塾講師が英語を教え、その他の教科は大手塾のオンライン授業や参考書でカバーするスタイルであり、
個人に合わせた学習スケジュールをたててくれていた。

そんな塾講師は「静かな情熱を持つ男」

オリジナルの英語教材には
セクションごとに、本の抜粋や、歌詞の抜粋が書かれていて
それを読むのが毎回楽しみだった。

その中でも、特に印象に残っているのが
THE BLUE HEARTSの歌詞

はじめて、ブルーハーツの歌詞に出会ったのはこのとき。
「1000のバイオリン」の一節だった。

ゆりかごから墓場まで
馬鹿野郎がついてまわる
1000のバイオリンが響く
道なき道をぶっ飛ばす

今でも覚えている。そのときの塾講師との会話。

「ゆりかごから墓場まで、ってどういう意味かわかるか?」『…生まれてから、死ぬまで、ですか』

「そう。じゃあ、馬鹿野郎がついてまわる、ってどういうこ   とだと思う?」
『…自分自身とは離れられないってことですか』
「そう!(嬉しそう)」

どうやら、熱血塾講師との意見は合致したようだ。

続いて、塾講師は解説してくれた。

生まれてから死ぬまで、
 自分は自分自身と離れることはできない。

 だから、自分の人生を幸せにするのも、不幸にするのも、 
 今頑張るのも、頑張らないのも、自分の選択次第だ。

 今、君たちがやらなきゃいけないことはなんだ?
 それを考えて欲しい」

それが、とても刺さった。
10代の自分に。

それからは、
自分の選択に責任を持つことを大切にしている。

そして、ここからは余談だが…

見事に、これをきっかけにブルーハーツにハマった

それまでは音楽そのものにあまり興味がなく
好きなアーティストなんてひとりもいなかったし
歌を聴いていてもメロディーを拾っているだけで
歌詞なんて気にしていなかった。

でも、ブルーハーツの歌詞にのせたメッセージは
とても強くて、シンプルにカッコいい。
いつでも前向きになれる。

それからは、歌詞を読んで、歌を聴いて、
自分なりに解釈したりして、楽しんでいる。

落ち込んだ時は必ず「少年の詩」を聴く。
そして、大声で歌う。

「少年の詩」が収録されている「THE BLUE HEARTS」のアルバムは大好きだ。
またブルーハーツについては別途語りたい…。

誰のことも恨んじゃいないよ
ただ大人たちに褒められるような
バカにはなりたくない
そして ナイフを持って 立ってた
そして ナイフを持って 立ってた

この歌詞を聴くと
周りの目を気にして臆病になるのではなく
自分がやりたいと思ったことはやってみる!
間違っててもやり直せばいい!
そうやってまた歩きだせる。

ああ、自分の中にあるアツい部分は
あの塾講師から学んだものだなぁ…

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