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2021年11月の記事一覧

映画「ドランクモンキー 酔拳」を三幕構成で分析する!!

本記事では、映画「ドランクモンキー 酔拳」を取り上げます。 本記事全体のまとめ ※本記事全体をレポート形式にまとめました。本記事後半の文章と同内容ですので、お好きな方でお読みくださいませ! ストーリー カンフー道場の不肖の息子・フェイフォン。 彼は父の怒りを買い、ソウ(酔拳の達人)のもとに預けられた。 当初フェイフォンはやる気ゼロだったが、ティッサムと戦い屈辱的な敗北を味わったことをきっかけに、真面目に修行。 やがて酔拳を習得し、宿敵ティッサムに見事勝利した。

まんまと敵に懐柔される善人

◆概要【まんまと敵に懐柔される善人】は、キャラクター類型の1つである。 これはじつにおいしいキャラだ。 第1に、<まんまと懐柔される = 純朴>ということで、「間抜けでかわいい奴だ」と読者・鑑賞者から好意を持ってもらえるだろう。 第2に、「やつは敵に寝返りやがった」と仲間から誤解されることで彼は孤立し、精神的にも戦力的にもピンチに追い込まれるだろう。その結果、読者・鑑賞者は彼に同情したり、「1人で勝てるのだろうか?」と心配したりしてくれるはずだ。 つまり、「まんまと敵

標的が「孤島で3年に1回開催される武術大会」にしか姿を見せないので、その大会にエントリーせざるを得ない

◆概要【標的が「孤島で3年に1回開催される武術大会」にしか姿を見せないので、その大会にエントリーせざるを得ない】は「標的が特別な場所にしか現れないので接触するのが大変」に関するアイデア。 なお、「特別な場所にしか現れない標的と接触すべく、主要キャラが四苦八苦する」というのは様々な作品に登場する展開である。 標的がそこにしか現れないのだから仕方がない!主人公たちは、普段なら近寄りたくもないような場所に潜入したり、奇妙な場所で戦ったり、荒唐無稽な課題をこなしたりする。いかにも

映画「ドラゴン危機一発」を三幕構成で分析する!!

本記事では、映画「ドラゴン危機一発」を取り上げます。 本記事全体のまとめ ※本記事全体をレポート形式にまとめました。本記事後半の文章と同内容ですので、お好きな方でお読みくださいませ! ストーリー 純朴な青年・チェン。 彼は中国の田舎町からタイの製氷工場に出稼ぎにやってきた……が、その工場の上層部は麻薬密売に関与していた。 彼らは残忍で、秘密を知ってしまった労働者を次々と殺していく。 やがて真相に気づいたチェンは得意なカンフーで社長やその息子をぶち殺し、皆の仇を取

物語が単調だと感じたら、別ジャンルの要素をひとつまみ加える

◆概要【物語が単調だと感じたら、別ジャンルの要素をひとつまみ加える】は、創作の技術の1つである。 それがどれほど面白い物語でも、お約束通りの展開が続けば読者・鑑賞者は飽きてしまうものだ。そこで、この「別ジャンルの要素をひとつまみ加える」というテクニックの出番である。 ◆事例研究◇事例:映画「燃えよドラゴン」 映画「燃えよドラゴン」はカンフーアクション作品だ。主人公(リー)やその仲間が格好よく戦い、敵をぶちのめすシーンが見どころである。 だが、それだけではない。 じつ

映画「燃えよドラゴン」を三幕構成で分析する!!

本記事では、映画「燃えよドラゴン」を取り上げます。 本記事全体のまとめ ※本記事全体をレポート形式にまとめました。本記事後半の文章と同内容ですので、お好きな方でお読みくださいませ! ストーリー カンフーの達人・リーは、「ハン(人身売買や麻薬密売の容疑者、リーの妹の仇)が罪人である」という証拠を掴むために、ハン主催の武術大会に出場した。 彼は大会の傍ら調査を進め、やがて証拠を発見する。 だがハンの子分に見つかり、大乱闘に発展。 かくしてリーは、ハンやその子分をぶち