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今までと、これからの100年

 私たちは京都にある宗教専門紙『文化時報』を発行する株式会社文化時報社です。1923(大正12)年から、特定の宗教や宗派に偏らないさまざまな神社仏閣の情報を発信し続け、もうすぐ100年を迎えます。

 創刊した年はちょうど関東大震災が起こった年でした。それから100年。いくつかの戦争を経て、民主化、経済成長、バブル崩壊、国際化など、さまざまな出来事と共に社会は大きく変わってきました。

 しかし時代が移り変わり、どんなに便利な世の中になろうとも、変わらないものがあります。それは人が生まれて死ぬという「いのちの営み」です。

 人はいつまでも元気で生き続けることはできません。老いや病気、事故などで、それまで通りの暮らしが困難になることは避けられないでしょう。そんなとき、心の苦しみに寄り添う存在として宗教(特に日本では仏教)がありました。死者を弔うだけでなく、生きている人が幸せになるための教えが宗教であり、心が安らかに幸せに過ごせる考え方であるといえます。

 そんな人の生き方に寄り添える素晴らしい教えである宗教が、少しずつ社会の人々から遠ざかっている現実があります。理由は核家族化、少子高齢化、世間を騒がせた宗教がらみの事件など、さまざまな要因が挙げられます。

 このままでは宗教と社会の関係が「寄り添える距離」ではなくなってしまうのではないか。歴史あるお寺や神社、そこにまつわる人々が築き上げてきた文化やネットワークなどを、もっと社会に生かしていくべきではないか。近年、このような危機感から、文化時報は「社会と宗教をつなぐ」をミッションにして紙面を作ってきました。

 100年の節目を迎える2023年を機に、この「社会と宗教をつなぐ」という使命をさらに具現化しようと、全社員でさまざまな意見を出し合い、新しい複数の事業を打ち出すことになりました。宗教者にも、社会の人々にも、宗教の持つ素晴らしい可能性に気付いてもらい、両者の橋渡しができる仕掛けをたくさんつくっていきます。

 新しい仕掛けとはどんなものか…。その様子を、この特設サイトで発信していきたいと思います。興味がある方はぜひ、フォローしてのぞいてみてください。

2022年9月 文化時報

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