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子育てにこそ、長期経営計画|インフォームド・コンセントの活用

共働き世帯が増え、親に時間的な余裕が無い中で、出来れば笑顔で余裕のある子育てがしたいと願いつつ、つい子どもに厳しく叱ってしまい、寝顔を見ながら自己嫌悪…そんな話をよく聞きます。時間的な解決では無いけれど、心の余裕を取り戻すためのアイデア、いかがでしょうか?


■長期経営計画とは

多くの企業では、会社を経営するにあたって長期経営計画を立てることが多いでしょう。

1.長期経営計画(5~10年)
企業全体としての経営方針や長期的ビジョン等を決めること。具体的な数値に関してはあまり言及しない。
2.中期経営計画(3~5年)
長期経営計画の内容を踏まえて、それを実現するために具体的な数値や施策に落とし込んだもの。
3.短期経営計画(1年)
中期経営計画で策定したことを1年単位に落とし込んで、業務レベルまで落とし込んだもの。

昨今では長期的な見通しを立てることが困難であるとして、長期経営計画を立てない企業も出てきています。

しかし、こと子育てにおいてはこの長期経営計画が役に立つと思えるのです。


■子育てでイライラする理由

「魔の2歳児」「小1の壁」など、子育ての際の困りごとを表す言葉は様々です。共働き世帯が増え、親の時間にゆとりが無いことから、子育てをしている中でイライラすることも少なからずあるでしょう。

しかし、もっと根本的に、なぜ「イライラ」を感じるのかを考えてみたいと思うのです。

子どもが・・・
時間通りに起きなくて遅刻しそうになる。
集中してご飯を食べない、床に食べ物を落とす。
外出してすぐに「トイレ!」と言われる。
外出先で「疲れた」「抱っこ」と言われる。
静かにしてほしい場所で大声を出して騒ぐ。
兄弟姉妹ですぐに喧嘩しはじめる。
宿題をいつまでもしない。
ランドセルの中身を出さない、準備をしない。

どの家庭でもアルアルですよね。(もちろん我が家も全て経験済みです)
しかし、「誰に対するルール違反でイライラしている」のでしょうか?

?:【大人】が決めた【大人】のためのルールを子どもが守れなかった。
?:先生や近所の人、周りの大人に【親が】怒られないために必死に子どもを従わせたい。

果たして、そのルールは子どもも知っていたものなのでしょうか?


■インフォームド・コンセントの重要性

ここで、イライラしないための「インフォームド・コンセント」の活用を紹介します。

インフォームド・コンセントとは
医療用語で「説明を受け納得したうえでの同意」という意味。医師が病気や容態、検査、治療の内容、処方される薬について十分な説明をし、患者さんは内容をよく理解し、納得した上で同意して治療を受けるということ。

これを応用して、我が家では下記の意味合いで使っています。

何かをする前には、必ず関わる全ての人にスケジュールや内容・目的を共有して同意を得ること。

これを、大人だけでなく子どもたちにも必ず行うようにしているのです。言葉を理解するようになった2歳ごろからずっと実践してきました。

例1)
「今日は[長女]のお迎えはパパが5時に行くから、[長男]の幼稚園にはママが5時に迎えに行きます。」
長女「パパが5時ね!」
長男「今日はママ!」
「了解!」
例2)
「今から車でスーパーに行きます。お菓子は1人2個まで選べます。選んでいる間にパパは野菜や肉のところにいるので、ママにお菓子を渡してください。買い物が終わったらすぐに家に帰ります。買い物だけだから、ベビーカーは持っていかないので、歩いてくださいね。」
長女「歩く!お菓子2個!」
長男「アイスもいい?」
「アイスでもいいですよ。アイスの場合は選んでも取らずに、レジに行く前にピックアップします」
長女&長男「OK!」

子どもって、大人が思っている以上に物事を理解しています。

買い物に連れて行かれても、目的やその後の予定が分からないと子どもは不安・不満という気持ちが高まります。だから暇になって走り回ったり、体力の配分が分からずに疲れて抱っこしてほしくなったりします。

事前にインフォームド・コンセントを実践するだけで、子どもたちは「自分たちのミッション」に切り替わり、理解して行動することが出来るものなのです。今でも我が家は必ず、朝・出かける前・休みの日など、家族全員でインフォームド・コンセントを実践しています。

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■長期経営(子育て)計画を

このインフォームド・コンセントを実践するにあたり、更に重要なのが家族による「長期経営(子育て)計画」の策定です。もちろん難しいことを決めるのではなく、将来どんな大人になってほしいのか?ということを、子育てに関わる大人たちで共有するということ。

我が家ではこんな子育てを目指しています。

①自分の気持ち・想いを他人に伝えられる人になってほしい
②困ったことや恥ずかしいことでも、なんでも相談できる親子関係を築く

この策定の際に気を付けたいことは、①盛り込み過ぎないこと、②期待し過ぎないこと、③自分に出来ない(できなかった)ことを求めないこと、あたりでしょうか。

これを策定すると、私達大人の子どもへの接し方に大きな変化が生まれます。

①自分の気持ち・想いを他人に伝えられる人を目指すために
★買い物に行く前に「一緒に行きたいかどうか」の意思確認をする
⇒ 意外と子どもは一緒に行きたくない。
★子どもがお菓子を選んでいる時に急かさない
⇒ 自分で決める→大人に伝える、の行程を大切に。
★食事を残す・嫌いなものがあるときに、「どういうところが苦手?」と聞いてみる
⇒ 調理方法なのか、素材が苦手なのか、解決できる時がある。問題解決が出来れば、その後の自信につながる。
②困ったことや恥ずかしいことでも、なんでも相談できる親子関係を築く
★子どもが好きな事・興味があることを否定しない
⇒ 否定すると恥ずかしくなって隠れて見るようになる。
★暑い、痒い、痛い、しんどい等の声を無視しない
⇒ 大人に心配してもらうことで愛着形成をするチャンス!
★子どもに「大好きだよ」「生まれてきてくれてありがとう」と言う
⇒ 愛されている、味方でいてくれているという信頼関係の醸成。

最終目的が明確だと、「イライラ」だったシチュエーションは「チャンス」にすらなり得ます。子どもの声に耳を傾ける、子どもの目線に合わせる、というよりは、

子どもを1人の人間として尊重し、
一緒にずっと伴走支援する、
という長期経営(子育て)計画。

もはやイライラすることなんて無くなります。子どもが泣いていたって叫んでいたって、全てが長期経営計画を達成するための1つ1つのミッションとなり、家族というチームで解決していけるものなのです。

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我が家ではこれを継続してきたことで、子ども達からこんな言葉が出てくるようになりました。

長女「パパとママはいつでも優しいね。」
長男「毎日幸せだねぇ~」

忙しい毎日でも、心がけひとつで笑顔に変えられるかもしれませんね。


■おまけ

話は全然関係が無いのですが、近所にあるお店は毎年8月のお盆期間中にシャッターにお盆休み期間を貼り紙で掲示されます。こんな感じ。

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毎年同じ書き方で掲示されるんです。毎年、この貼り紙を見るたびに、どうしても1文字追記したくなるんです。こんな風に。

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何て読めると思います?

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嗚呼くだらない…。昭和のネタやなコレ。37歳の私の頭の中はいつもこんな思考回路です。精神年齢はなぜか育ちませんね!笑

こんな感じで楽しく面白く毎日生きております。

それでは皆様ごきげんよう。



子育てにこそ、長期経営計画
|インフォームド・コンセントの活用|
でした!

株式会社minitts
代表取締役 中村朱美

Thanks!!

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