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ようこそ。人生最高の1枚の写真を囲んで語らう「100歳図書館」へ

もしあなたが1枚だけ
人生最高の写真を選ぶとしたら?


わたしたちと写真との関わり方は、年々変化が早まっているかのようです。モノクロからカラー。インスタントからデジタル。写真館で撮影する時代からスマホの普及で誰もがSNS写真家になる時代へ。写真そのものを手軽に撮影・大量に保存できるようになりました。

かといって、ひとりひとりの人生の濃度・幸福度はどの時代でも変わる訳ではありません。どれだけ写真たちが世の中に溢れようと、人生の豊かな1ページは写真や動画のその奥に隠されたまま眠っています。

私たちは、どんな世代のどんな境遇の方にも、その人だけが持つ大切な感情体験・幸福体験があることを本能的に知っています。しかし、それらの意味や価値をじっくり他者と分かち合う機会は、社会の経済成長やインターネットの普及と反比例するように急速に失われているのではないでしょうか?

シニアの豊かな人生をデザインをするシニア支援コミュニティ「ちゃんとちゃんとの学校」では、1枚の写真を囲んで人生体験を語らう「100歳図書館」というインクルージョンな対話の場づくりを2015年から構想し2019年より各地でスタートさせました。

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100歳図書館は、かけがえない人生の価値を再編集する場


100歳図書館のルールは至ってシンプルです。語り手となる方が自身の過去の1枚の写真を見せながら参加者と30分程度語らうという企画です。語り手・参加者に年齢制限は設けません。その様子は一見、多世代対話をしている和やかな場にすぎません。ただし、3つのプロセスを元に作りあげるところに100歳図書館だけの特徴があります。

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【プロセス1】 写真選び:たきびとの集い(傾聴力・ヒヤリング・カウンセリング)

人生最高の1枚の写真選びは、語り手本人だけで選ぶことはしません。事前にアシスタントたちも一緒になって行います。語り手(呼称:炎心さん)が、アシスタントたち(呼称:たきびと)と共に事前の対話を重ね、人生最高の1枚を選びます。その場を「たきびとの集い」と呼んでいます。たきびとたちは炎心さんと過去写真をピックアップしながら人生体験を傾聴していきます。一見バラバラに見える写真や炎心さんの過去体験の背景に流れる静かな情熱の炎=炎心を一緒に探り当てる大切な時間です。たきびとたちの感動や視点が入ることで、パーソナルな1枚の写真に、社会的価値が投影されるのです。

プロセス1は、本で言うところの「企画会議」に当たります。炎心さんにとっては、利害関係なく人生をゆるやかに肯定され尊厳欲求を満たす機会となり、人生体験の価値を再発見することが出来ます。

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【プロセス2】本番準備:伝えたいことまとめ(伴走力・リフレーミング・コーチング


人生最高の1枚の写真を選んだら、炎心さんは後日に控えた本番に向けて伝えたい話を絞り込んでいきます。価値観や関係性に差のある人たちが参加する場において、苦労話や自慢話に偏らないようその写真の時期で体験したことの本質を探っていきます。たきびとたちは炎心さんと伴走しつつ、エピソードや体験の意味に本人が気づいていないポジティブな解釈・意味づけ(リフレーミング)を与えるコーチとしての役割も担います。

プロセス2は、本でいうところの「編集会議」に当たります。炎心さんにとっては、自分らしさを存分に発揮し主役となる自己実現欲求を満たす機会となり、他者に伝える準備をする中で、人生体験をポジティブな視点から再編集することが出来ます。


【プロセス3】 本番:写真を囲んでの対話(質問力・エンパワーメント・ファシリテーション

対話のコンセプトは「0歳から100歳まで大切なこと」。100歳図書館の本番では数名から10名ほどが集まり1セッション30分ほど語らう場を作ります。まず冒頭10分、メインたきびとさんが炎心さんへ写真のエピソードについて、そして体験から得た喜びや学びなどをお聞きしていきます。その後20分程度は、参加者全員が対話に参加。感想や質問など語り合い自由に楽しみます。プロセス1〜2を経験し進行アシスタント役となったメインたきびと数名は、参加者が短時間で相互理解を深められるようファシリテーションに徹しつつ、炎心さん含め参加者全員の力づけ(エンパワーメント)につながるよう対等かつ豊かな対話時間を進行させていきます。

プロセス3は、本でいうところの「出版〜読書会」に当たります。個人的体験が分かち合われ、社会的な分脈での価値に昇華される瞬間です。炎心さんにとっては、関わる社会・地域・所属コミュニティなどへの貢献欲求を満たせる機会となります。

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まとめ

この「100歳図書館」の3つのプロセスは、世界中で行われているヒューマンライブラリー手法を参考に、より多世代間の相互理解を深めシニアの3つのジリツ(記事最下段参照)を短時間で効果的に行えるよう特化した ちゃんとちゃんとの学校オリジナルの場づくりです。

多様性が求めらている昨今ですが、文化的側面から「日本人は言語による対話が苦手」と言われることもしばしばあります。100歳図書館では、選ばれた1枚の写真を軸に語らうことで、物語性や個人的感性といった非言語イメージを共有しやすくなるため、短時間に多世代間の対話を促進させることが出来ます。

Wiki参照: ヒューマンライブラリー(human library)は、障がい者や社会的マイノリティを抱える人に対する偏見を減らし、相互理解を深めることを目的とした試み。「ヒューマンライブラリー」は、『人を本に見立てて読者に貸し出す図書館』という意味で、『読者(参加者)』と『本(障害者やマイノリティを持つ人)』とが一対一・一対複数名で対話をする。「リビングライブラリー」とも呼ばれる。2018年の時点で世界90か国以上でヒューマンライブラリーのイベントが開催されている。

※100歳図書館は、これまで2年ほどリアルな場で開催してきました。令和2年の秋から令和3年の春にかけては、新型コロナ感染予防をふまえオンライン形式で行いました。


100歳図書館を、多世代対話のできるインフラに

シニアの力がいまこそ必要。
何気ない人生経験が、どこかの誰かを元気づけることだってある。


「ちゃんとちゃんとの学校」はこの5年間、職種や業界を超えて全国のシニア支援パーソンが集い勉強会やフレイル予防、地域包括ケア支援などプロジェクトを行ってきました。高齢化社会の課題を「豊かさ」に転じていくためには、多くの世代がシニアの各世代と理解し合いその人生の価値を享受できてこそ。私たちはずっとそう考えてきました。
そんな想いから生まれたのがこの100歳図書館です。

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3331アーツ千代田で開催された当学校主催100歳図書館の様子 2019年12月実施(東京都千代田区)

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NPO法人つくぼ片山家プロジェクトによる100歳図書館「わたしものがたり」の様子 上:2019年9月・下:2020年9月実施(岡山県倉敷市)


100年に一度とも言われる現在(コロナ禍)だから 

あえて大きな時間軸のものさしを使うと、誰かの過去は誰かの未来とつながっていたりします。シニアの方々の「過去」の人生体験を通じて、参加者ひとりひとりが探す「未来」に出会えるかもしれません。

100年に一度と言われる新型コロナによる社会的困難により変化を余儀なくされたり価値観がひっくり返ったり・・・そんな現在だからこそ 
全国各地で緊急事態宣言が出されている中でも、あえてオンライン(Zoom)で「つながる100歳図書館」を実施してきました。

そしてこれから、つながる100歳図書館でご協力いただいた炎心さんたちをこのnoteでご紹介しています。本番の対話の様子の動画ダイジェストも無料公開中です。ぜひあなたもアーカイブにて100歳図書館を体験して見てください。


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<終わりに>
私たちは100歳図書館を、多世代対話・交流のできる地域、社会のインフラにしていきたいと考えています。一緒に実施したい施設や団体・企業のご担当の方は、ちゃんとちゃんとの学校までご一報ください。


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※多古町福祉のまちづくり活動「タコ足ケアシステム」メンバーで、炎心さんを努めていただいた郡司保美さんの記念写真 2019年12月(千葉県香取郡古町) テーブルには100歳図書館参加者からの感想のお手紙たち

  
【参照:100歳図書館の背景 「シニアの3つのジリツ」という視点】

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🔥あなたも一緒に作りませんか?参画メンバー募集(100歳図書館シーズン3)

企画・運営「ちゃんとちゃんとの学校」
【1】 シニア支援に関わる社会人の方の学びや活動をしています。
【2】 シニア支援の様々な業種の方が集まり交流できます。
【3】 「シニアの自立と幸せ」を業界超えてサポートしていくコミュニティです。
🔥 「ちゃんとちゃんとの学校」とは?
🔥 シーズン3(2019年10月〜2020年3月)開幕のお知らせ (動画)
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🔥 発起人
 広納 真介 (株)ロイヤル専務取締役
 三谷 浩幸  ミタニホールディングス(株)代表取締役
 幸田リョウ (株)パークスターズ代表取締役

ちゃんとちゃんとの学校では「シニアの3つのジリツ(自律・自立・地立)」をテーマに2025年問題に直面する超高齢化社会を迎える日本において、シニアに関わるお仕事・活動をしている方々とシニア世代と多世代が共に支え合い豊かな人生を送るための企画・活動を行っています。
運営母体であるchant-chantプロジェクトは、医事ジャーナリスト綿貫孝一を中心に健康・医療・介護・福祉・サービス・教育・行政分野まで様々な有志や専門家で構成されたシニア支援コミュニティです。わたしたちは、シニアの方たちの抱える課題を「高齢者問題」と捉えるより「シニアみなさんの自立と幸せのチャンス」と捉えています。

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