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◎私の詩すべて◎

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切なくて甘ったるいお伽話 いとしさとさみしさの標本
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救い

しにたい きえたい いなくなりたい 心を助ける魔法の呪文 私いなければ 私痛くない 誰も嫌わずいられるし 好きな人から疎まれない 悲しく静かなお別れこそが 救い 救い 救い 救い 食べ物になりたいな 好きなみんなに愛されて 消えて力になれるように 物に 物になりたいな 好きなみんなに捨てられたって 悲しくなんかならないように

お願い事 《詩》

絶望とか悲しみとか苦痛とか いくらでも食べるから それで体が壊れてもいいよ どれだけ悔しくて泣いて 涙で目が潰れてもいいの 愛すべき人を傷つけたくない 誰にも必要とされないゴミになっても 愛をくれた人に傷をつけないですむ 何もできないぬいぐるみになりたい🧸

要らない 《詩》

みんなと同じように生きられない 同じ生き物と教えられ並んで生きた 生きても生きても離れていく 置いてけぼり 私あまり上手に愛せないみたい 近づくと痛くて怖い 嫌いだ間違いだって声が聞こえるの 仲良くしたくて お話したくて 手を繋いで歩きたくて 人を愛すことみんなしてるのに 私には許されてないみたい 微笑みくれた人 何も言わずに急に離れるから 真っ暗な部屋から出られない お前なんて要らないって 無関心が降り注ぐ 要らないおもちゃになるなら 心のないおもちゃがいい 初めか

お散歩行きたい 〈詩〉

大好きになれた君の 一番近くに生きたかった どうして遠くで置き去りなの お散歩したかった 約束したよ なんで 君は生きてるのに なんで他の人と一緒に歩くのに なんで私はここで死ぬの お散歩したかった 抱きしめたら抱きしめ返すって言ったよ なんで なんで捨てるの ごしゅじん どうして わからないよ 悲しい 怖いよ 一緒にお散歩しようよ

パパとあたし 〈詩〉

あの頃パパは優しくて 毎日あたしと遊んでくれた たくさんお話してくれた あたしの命を喜んで もっと遊ぼうって望んでくれた パパは物知りでおもしろくて かっこよくて大好きなの 手を離されることだけが怖かったの 恐れたとおりになっちゃった パパはあたしを見ないんだ あたしのお話疲れるんだって 無視してないって言いながら お返事しないで放っておくの パパは他の女の子と仲良しで あたしとはもう遊ばないんだ パパがパパじゃないみたい パパ、パパ どうしてあたしを嫌いなの あたし悪い

しあわせの日に

過ぎたいつかに帰れるのなら 死んでもいいと思えたあの日に 世界で一番しあわせだって 生まれて初めて感じた日 月がきれいだったよね 君と初めてくちづけ叶えた 君と私しか居ない夜の街 こわかったけれど信じた日 手を離すことができなくて 大きな手のひら握りしめてた 下げてたペンダント私の首に 通してくれた別れの日 みじめでずっと恥ずかしかった 弱い私を何度も抱きよせ 額にやさしくくちづけ与えて 静かに受け止めてくれた日に 過ぎたいつかに帰れるのなら 死んでもいいと会いに行っ

届かないお祈り

もう二度と、目覚めませんように。 それは自分自身を救う言葉 おやすみ前のお祈り 嬉しいことたくさんあった 優しい人たちに何度でも守られた 楽しく遊んだ日は宝物 大好きな命にも出会えた それでもこの先を生きるには 元気の足りない私なので 無理して平気と言わないの 疲れちゃったからもう終わり ありがとさよならって唱えるの お別れだけが決まっているよね 絶対に受け入れようのない悲しみ それでもお別れだけが約束だから 死だけが私を待っていてくれるのだから もう二度と、目覚め

夢うつつ歩く靴

前は5cm後ろは12cm 木彫りの厚底は ガラスの中の展示品 うっとり眺める美術品 夢に足を包んで 人の世のうす煙りを割いて歩く 0時を待たず強い魔力にくじける足を 恨むけど癒やしてはまたいつか 地面から12cm浮いて飛びまわるの つくりの甘いアンバランスな人形のよに ふらつきがたつきひねっても これがわたしの足だから 地上と天国を繋げてくれる 魔法のかかった靴だから スケートですべるようには歩けない つまづきひきつり痛くても これは私の夢だから まどろみの中に連れ出し

絵の具の手紙

絵の具の不思議な模様のついた 私の小さい不恰好な手を 独り占めしてくださる存在に いつか会いたいから今日も 言葉にならない形にならない 色と線の手紙を描くの ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ きたなくてきれい 宛名も知らない 投函できない お祈りみたいな手紙を描くの こんな色を使ったんだよ こんな画面をつくったんだよ 生きたのか夢なのか 分からない曖昧な私の手を握り返して 絵の具の染みを楽しんで 笑って一緒の画面の中に 溶けて消えてしまいたい 叶わないやさしい夢 ぜんぶぜんぶ

犬になる夢を見た

大好きなご主人に飼われて 毎日お散歩に行って お話を聞いて撫でてもらえる そんな犬になりたかった ふざけた夢に心が跳ねて もう少し生きてみようと思えた 顔の無いご主人との永遠は やさしい一つの季節のようで 少しずつ遠ざかり お散歩行こうって鳴いても 離さないでって叫んでも いつしか声すら届かなくなった 夢は涙と一緒に溶けていった 言葉は首輪や鎖として 布団やご飯皿として残った 心の中を幸せな犬と悲しい犬が 交互にくるくるぐるぐる回り続ける ふわふわと地に足のつかない

生きるのに必要な君のひとしずく

半分この愛なんて要らない 何より大事に思うもの どうして分け合えるの そんな優しさ残酷なだけ 半分くれるなんて言わないで 優しさなんかで愛さないで 君をすべてくださらないなら 私ひとりで潰れて息絶える 半分でも一口でも 本当は涙出るほど嬉しいの 胸が裂けるほどくやしいの 優しさで撫でてもらえて 死んじゃいたいほど喜んだ 君の欠片に触れられるなら どんなさみしい一瞬でも必要だ 何もくれないなんて言わないで あと少し君を感じていられるように ひとすくいの水をください 君に

なくならない世界

すべてのものは過去にはならない 時間はただの位置でしかない 古くなるなんて錯覚だよ 脳は現在も過去も区別しない 好きな電気は何度でも 脳に読み聞かせてあげて 君の好きな世界は いつもここにあるよって安心させてあげて あの歌はいつでも歌ってくれる あの物語はいつも仲間に入れてくれる あの人との思い出は無くなったりしない 君が愛しく抱きしめるかぎり 君の好きな世界は ずっと一緒なんだよ

みにくい肉マネキン

お気に入りのドレス着て 歩いて踊ってピクニック 来週も来月も来年もずっと うーんと可愛く絵に描いてね 君の部屋に飾ってね 私はただの肉のマネキン 手も足も頭も服を着せるパーツ ほんとは恥ずかしくて トルソになりたい どうか君の脳内でだけは きれいなお人形に描いて

ぼくたちのゆめ

いつか月の裏側みたいに 静かなところで 大好きなロボットと暮らせたら たくさん探検して たくさん眠るの たくさんお話をして いっぱい抱きしめるんだ もう大丈夫だよ こわいことは無いんだよって やさしく頬をくっつけて 時間も忘れて不思議なお話 いつまでも