赤い光

　透き通った赤が好きで、車のテールレンズなどつい見惚れてしまうことがある。
　昔、テールレンズが大きいのが気に入って日産レパードという車を買おうとしたことがあった。あの時は結局、諸々あって他の車になった。あれはいささか残念だった。
　最近の車はテールレンズが透明なのが多くて、あんまり面白くない。

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　車で信号待ちをしていると、前の車のテールランプが何だかおかしい。赤いテールレンズの内側で何だかもぞもぞ動いているように見える。仕掛けでもあるのかと思ってよくよく見ると、どうやらレンズの内側にハチのような虫が入り込んでいるらしかった。随分古い車だからどこかに隙間があったのだろう。

　それにしてもあんな所にいると赤いばかりで何も見えないだろうし、そもそもまぶしいに違いない。光につられて入ったものか明るいうちにたまたま入ったものかわからないが、虫にしたって大変だろう。
　そんなことを思っていたら、自分も入ってみたいような、なんとなく羨ましいような気もし始めた。