水栓、置土産
洗面所の水栓からポタポタ水が落ちるようになった。恐らくパッキンの劣化だろう。
パッキン交換ぐらいは自分でもできそうだけれど、ちょうど工務店の人が十年目の点検に来たから、ついでに依頼しておいた。
ところが、担当の篠田さんは「それでは、まずメーカーに云って部品を取り寄せますね」と請け負ったきり一向に連絡してこない。
待ってる間ずっとポタポタやっているのはもったいないし、ポタポタのペースもだんだん早まってくるようだったから、水栓の元を締めて使わないようにしたのだけれど、どうにも不便でいけない。
そのうちに三週間が経過して、どうなっているかと電話をしたら、メーカーには云ってあるが返信がない、再度督促してみる、と云う。
三週間黙って待っているとか、お前は一体何なんだとは云わずにおいた。
それで先週ようやく部品交換に来たのだけれど、今度は家についている水栓が図面と違うと云い出した。
せっかく部品を取り寄せてもこれでは使えないから、結局水栓は直っていない。
水栓が違うのは建てた時のミスである。この家を建てた時の現場監督は甚だ抜けの多い人だったから、そういう置土産があっても別段不思議はない。
建てている最中も建てた後も随分不手際があって、幾度か叱責したけれど、一向に改善しないまま、じきに辞めてしまった。
きっと水栓も間違えて手配したのを、取り直したら時間がかかって怒られると思ってそのまま進めたものだろう。そうして後から「君、水栓が違うじゃァないか」となったら「あれぇ? おっかしいなぁ。何だろうなぁ。確認しますね」か何か云ってそのまま有耶無耶にしてしまう算段だったのに違いない。
愛知県で家を建てるなら、この工務店はよした方がいい。
本当はここで社名を出したいところだけれど、こちらの身元がバレてもつまらないから伏せておく——気になる方は、X(旧twitter)からDMでお知らせします——。
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