饅頭、密命、血（2023/06/23）

　昨日のうちにすっかり回復したので、何事もなかったように出社した。

　10時過ぎに総務のフグ田さんが事務所で饅頭を配りだした。昨日来社した得意先の手土産なんだそうだ。
「体調大丈夫なら食べてくださいね。うふふふふ」と言って置いていった。本物のサザエさんか、と云いたくなった。
　一通り配って数個残ったからと、もう一個くれた。一個はすぐに食べて、もう一個は後に取っておいた。美味い饅頭だった。

　イゴールさんから云われていた件について、畜山にそれとなく裏を取った。そもそも自分とネルソン氏が受けた密命だったが、ネルソン氏が「二人で行くと大げさになって、きっと彼は構えてくるだろう。君が行ってくれたまえ」と逃げたのである。
　一つの問に集約して何でもない風で訊いたら、先方も何でもない調子で答えてきた。これが命取りになるとは思ってもいないだろう。

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　妻から、うさぎの爪を切りすぎて出血したから獣医へ連れて行ったと連絡が入った。なかなかの出血だったようで、娘も気が気でなく、学校に行かずに獣医へついて行ったという。
　うさぎは血がついた簀子をしきりに舐めていたそうだ。そもそも被食動物だからにおいを残さない習性がある。血のにおいなんて一番残してはいけないものなのだろう。
　怪我よりもそっちを気にするのかと、何だか不憫になった。